ブログ記事
2026.06.22
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業に携わる一人親方の皆様の中には、「建設業許可は本当に必要なのだろうか?」「取得するには手間や費用がかかるのでは?」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。日々の業務に追われる中で、許可申請の手続きを検討するのは大きな負担に感じるかもしれません。
しかし、建設業許可は、事業の継続性や将来の発展を考える上で非常に重要な要素です。特に大阪府を含む近畿圏で事業を展開される一人親方の皆様にとって、許可の有無が事業の機会を大きく左右するケースも少なくありません。
この記事では、大阪府を主な活動拠点とする行政書士・社会保険労務士である私が、一人親方の皆様が建設業許可を取得すべき5つの具体的な理由と、許可を取得しない場合に潜むリスクについて、大阪府での申請実務の視点も交えながら詳しく解説します。許可の種類や取得要件、手続きのポイント、そして専門家への依頼費用まで、皆様がご自身の状況に応じて判断・行動できるための情報を提供いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
一人親方として建設業を営む皆様にとって、「建設業許可は必須なのか?」という疑問は、事業を続ける上で避けて通れないテーマの一つです。結論から申し上げますと、事業規模や請負契約の内容によっては、建設業許可は取得が推奨されるだけでなく、法律上必須となる場合がほとんどです。
建設業法では、一定の金額以上の工事を請け負う場合に建設業許可が必要であると定められています。具体的には、1件の請負代金が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)以上の工事を請け負う場合、建設業許可を取得しなければなりません(建設業法 第3条)。これを超える工事を許可なく請け負うことは、法律違反となり、様々なリスクを伴います。
たとえ現時点では「軽微な工事」しか請け負っていないとしても、事業を拡大し、より大きな案件や元請け業者からの信頼を得て継続的な受注を目指すのであれば、建設業許可は強力な武器となります。許可を取得することで、法的リスクを回避し、事業の安定と成長の基盤を築くことができるのです。
ここでは、一人親方の皆様が建設業許可を取得すべき具体的な理由を5つご紹介します。
前述の通り、建設業法 第3条では、「軽微な工事」以外の建設工事を請け負うためには、建設業許可が必要とされています。軽微な工事とは、1件の請負代金が500万円未満(消費税込み、建築一式工事の場合は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)の工事を指します。
許可を取得することで、これらの金額を超える工事を合法的に請け負うことが可能になります。これにより、より規模の大きな工事を受注できるようになり、事業の幅が大きく広がります。
建設業許可を取得していることは、お客様や元請業者、そして金融機関からの「信用」に直結します。
公共工事の入札に参加し、受注を目指す場合、建設業許可の取得は必須条件となります。さらに、公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得していることに加えて、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。経営事項審査とは、建設業者の経営状況や技術力などを客観的に評価し、点数化する制度です。
一人親方であっても、許可を取得し、将来的に法人化して経審を受けることで、国や地方公共団体が発注する公共工事に参入する道が開けます。公共工事は安定した受注と高い信頼性を得られるため、事業の安定化に大きく貢献する可能性があります。
事業の拡大や設備投資のために金融機関からの融資を検討する際、建設業許可の有無は審査の重要な要素となります。許可業者であることは、事業の継続性や安定性が高いと評価されやすく、融資の可否や金利、借入限度額に良い影響を与えることがあります。
また、国や地方公共団体が実施する中小企業向けの助成金や補助金の中には、申請要件として建設業許可の取得を定めているものも少なくありません。事業の成長を後押しするこれらの制度を活用するためにも、許可取得は有利に働きます。
一人親方から法人化し、従業員を雇用する際に建設業許可を有していると、社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)への加入手続きがスムーズに進みます。特に、建設業許可の取得・更新や経営事項審査においては、社会保険への加入が重要な要件とされています(建設業法 第27条の23)。
建設業は社会保険の適用が義務付けられている「強制適用事業」です。従業員を雇用した場合、適切な社会保険に加入することは、法令遵守だけでなく、従業員の福利厚生の充実、優秀な人材の確保、そして企業の信用力維持にも繋がります。社労士としての知見からも、将来的な事業展開を見据えた社会保険の適正な運用は、建設業を営む上で不可欠であると強く申し上げられます。
建設業許可を取得しないまま事業を続けていくことには、重大なリスクが伴います。
軽微な工事を超える請負代金の工事を、建設業許可なしに請け負った場合、建設業法違反となります。この場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります(建設業法 第47条)。また、行政処分として営業停止命令や営業禁止命令を受けることもあり、事業の継続が困難になるだけでなく、社会的信用も大きく失墜します。
特に元請業者との関係では、無許可業者との取引は元請業者にも責任が及ぶ可能性があるため、取引を打ち切られる要因にもなり得ます。
許可がない状態では、請け負える工事の規模や種類に制約が生じます。これにより、大規模な案件や、公共工事など利益率の高い工事への参加機会が失われ、事業の成長が頭打ちになってしまう可能性があります。また、許可を持っている競合他社と比較して信用力が劣るため、価格競争に巻き込まれやすく、経営が不安定になることも考えられます。
建設業許可を取得していない場合でも、従業員を雇用すれば社会保険への加入義務は発生します。しかし、許可がないことで、適切な情報が得られにくかったり、将来的に法人化した際に社会保険加入の適正化でつまずいたりする可能性があります。また、下請けとして働く場合、元請業者から社会保険加入状況を確認されることもあり、未加入が原因で取引を停止されるケースも考えられます。適切な社会保険への加入は、労働者の保護だけでなく、事業主自身の法的リスクを軽減するためにも重要です。
建設業許可には、主に「知事許可」と「大臣許可」、「一般建設業」と「特定建設業」の2つの区分があります。一人親方の場合、ほとんどのケースで「知事許可」の「一般建設業」を目指すことになります。
建設業許可を取得する際には、それぞれの営業所に「専任技術者」を配置する必要があります。専任技術者とは、建設工事に関する専門的な知識や経験を持つ者のことで、その営業所で常勤している必要があります。
一人親方の場合、ご自身が要件を満たし、専任技術者となることが一般的です。要件は、取得したい建設業の種類(土木一式、建築一式、大工工事など)によって異なりますが、所定の国家資格の保有、または一定期間の実務経験(通常10年以上、高卒・大卒の指定学科卒業者は3年または5年以上)が必要です。
建設業許可を取得するためには、主に以下の5つの要件を全て満たす必要があります(建設業法 第7条)。
建設業の経営において、適切な判断を下し、全体を統括する役割を担う「経営業務管理責任者等(けいえいぎょうむかんりせきにんしゃとう)」を営業所ごとに常勤で配置する必要があります。
一人親方の場合、通常はご自身がこの要件を満たすことになります。具体的には、以下のいずれかの経験が必要です。
法改正により要件が緩和されていますが、ご自身の経営経験を客観的に証明する書類(確定申告書、工事請負契約書など)を準備することが重要です。
営業所ごとに、許可を受けようとする建設業種に関する専門知識や技術を持つ「専任技術者(せんにんぎじゅつしゃ)」を常勤で配置する必要があります。
一人親方の場合、ご自身が専任技術者となることが多いです。要件は以下のいずれかです。
実務経験で要件を満たす場合、その経験を裏付ける工事請負契約書、請求書、注文書などの書類が求められます。これらの書類を日頃から整理しておくことが重要です。
建設工事を適切に遂行するための財産的基礎があることも要件です。一般建設業許可の場合、以下のいずれかを満たす必要があります。
個人の場合は、確定申告書の貸借対照表(青色申告決算書)や預金残高証明書などで証明します。法人化する予定がある場合は、会社の設立時に資本金として500万円以上を用意することも一つの方法です。
申請者(一人親方ご本人や法人の役員など)が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことを指します。具体的には、過去に建設業法やその他関連法令に違反して罰金刑以上の処分を受けていないこと、請負契約の履行を不誠実に行った経歴がないことなどが求められます(建設業法 第7条第4号)。
以下のいずれかに該当する場合は、建設業許可を受けることができません(建設業法 第8条)。
これらの欠格要件に該当しないことが確認されます。
ここでは、大阪府知事許可(一般建設業)を取得する場合の、おおまかな流れと主な必要書類を解説します。都道府県によって手続きや書式が異なりますので、他府県での申請をご検討の場合は、管轄の行政庁にご確認ください。
建設業許可申請には、以下のような書類が必要です。膨大な種類があり、個々の状況によって追加書類も発生するため、専門家への相談が確実です。
これらの書類は大阪府の基準に沿って作成・準備する必要があります。特に、実務経験を証明する書類は、不足や不備があると審査が滞る原因となりますので、日頃からしっかりと保管しておくことが大切です。
建設業許可申請は複雑で、多くの時間と専門知識を要します。ご自身で申請するか、専門家である行政書士に依頼するかは、一人親方にとって大きな判断ポイントです。
行政書士に建設業許可(知事許可・一般建設業・新規)の申請を依頼する場合の報酬額は、おおよそ15万円から30万円程度が相場です。これに加えて、申請手数料として大阪府知事許可の場合は9万円(収入証紙で納付)が必要となります。費用は、申請する業種数や書類の準備状況、申請内容の複雑さによって変動します。
ご自身の時間的余裕や、書類作成・行政手続きへの慣れなどを考慮し、どちらの方法が最適かをご判断ください。
一人親方の皆様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します。
はい、一人親方の方でも建設業許可は取得可能です。 建設業許可の要件は、個人の事業主であっても法人であっても基本的に同じです。特に「経営業務管理責任者等」や「専任技術者」の要件は、一人親方ご自身の経験や資格で満たすことができるケースが非常に多いです。将来的に法人化を検討されている場合でも、まずは個人事業主として許可を取得し、後に法人に許可を引き継ぐ(法人成り)ことも可能です。当事務所では、一人親方の皆様の状況に合わせた最適な許可取得プランをご提案しております。
建設業許可の取得までにかかる期間は、大きく分けて「書類準備期間」と「行政庁の審査期間」の2つがあります。
全体として、申請の準備を始めてから許可が下りるまで、最短でも2ヶ月〜3ヶ月、長ければ半年以上かかることもあります。 計画的な準備が不可欠です。
はい、建設業許可は取得したら終わりではありません。許可を取得した後も、以下の手続きが必要です。
これらの手続きを怠ると、許可が失効したり、行政処分を受けたりする可能性があります。当事務所では、許可取得後の各種手続きについても継続的にサポートしております。
本記事では、一人親方の皆様が建設業許可を取得すべき5つの理由と、許可を取得しない場合に潜むリスク、そして許可の種類や取得要件、大阪府での申請実務について解説しました。
建設業許可は、単なる法令遵守だけでなく、事業の拡大、信用力の向上、公共工事への参入、融資の受けやすさ、そして社会保険の適正化といった多岐にわたるメリットをもたらし、事業の安定と成長に不可欠な基盤となります。許可を取得しないことには、法的罰則や事業機会の損失といった重大なリスクが伴うこともご理解いただけたかと思います。
一人親方の方々にとって、許可申請の手続きは複雑で手間がかかるものですが、その先に広がる事業の可能性は計り知れません。ご自身の事業の将来を見据え、建設業許可の取得をぜひ前向きにご検討ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。