建設業許可の「誠実性」要件を徹底解説|大阪府で許可を目指す事業者が知るべき確認ポイント | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
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建設業許可の「誠実性」要件を徹底解説|大阪府で許可を目指す事業者が知るべき確認ポイント

2026.07.12

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

建設業許可の取得や更新を検討している事業者の方へ。許可の要件の中でも特に重要な「誠実性」は、その内容が多岐にわたり、判断に迷うことも少なくありません。本記事では、この「誠実性」要件について、大阪府での申請実務を踏まえながら、具体的な確認ポイントや注意点をわかりやすく解説します。

建設業許可の「誠実性」要件は、建設業法に基づき、申請者やその役員等が不正または不誠実な行為をしていないことを求める重要な要件です。この要件を満たしているかは、過去の法令違反歴や契約履行状況など多角的に判断されます。特に大阪府での申請実務においては、提出書類だけでなく、場合によっては行政庁からのヒアリングで詳細な確認が行われることもありますので、事前の確認と準備が肝要です。

本記事でわかること

  • 建設業許可における「誠実性」要件の基本的な考え方
  • 「誠実性」が問われる対象者と具体的な確認ポイント
  • 「誠実性」が欠如していると判断される主な事例
  • 社会保険・労働保険の加入状況と「誠実性」要件との関連
  • 「誠実性」要件を満たすための日常的な注意点

目次

建設業許可の「誠実性」要件とは?

建設業許可を取得するためには、建設業法に定められたいくつかの要件を満たす必要があります。「誠実性」もその重要な要件の一つです。これは、申請者やその関係者が、建設工事の請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことを指します。

建設業法における「誠実性」の定義

建設業法における「誠実性」は、直接的には建設業法第八条の欠格要件の一つとして規定されています。

建設業法 第八条(許可の基準)
許可申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、許可をしてはならない。

七 その役員、政令で定める使用人又は法定代理人が、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、刑法若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百九条、第二百十一条、第二百十三条若しくは第二百三十四条の二の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者であること。

八 営業を停止され、その停止の期間が経過しない者であること。

出典:e-Gov法令検索「建設業法」

上記の条文が示す通り、過去に一定の法令違反により罰金以上の刑に処されたり、営業停止処分を受けたりしている場合は、原則として許可は認められません。この期間は刑の執行終了または執行を受けなくなった日から5年間、営業停止期間の経過後までとされています。これらは、建設業を営む上で基本的な法令遵守の姿勢と、公衆に対する信頼性を担保するための要件です。

「誠実性」が問われる具体的なケース

「誠実性」は、単に法律に違反していないかという形式的な側面だけでなく、以下のような実質的な側面からも問われます。

  • 請負契約の履行状況: 過去に請け負った工事契約において、重大な債務不履行や不適切な行為(例えば、工事の放棄、故意の不備、著しい遅延など)がなかったか。
  • 公正な取引: 下請契約において不当な取引条件を押し付けたり、支払いを遅延させたりといった行為がなかったか。
  • 経営状態: 破産手続きの開始決定を受け、復権を得ていない場合や、過去に不適切な倒産処理を行った経験がないか。
  • 納税義務の履行: 法人税、消費税、地方税などの納税義務を適切に果たしているか。税金の滞納は「誠実性」を疑われる要因となり得ます。

大阪府での許可申請においても、これらの要素は審査において重要な判断材料となります。申請書類だけでなく、必要に応じて行政庁が過去の経歴や関係者へのヒアリングを通じて実態を確認することもあります。

「誠実性」要件の確認ポイント【役員等・使用人・実質支配者】

「誠実性」要件は、申請者本人だけでなく、事業を実質的に支配する複数の関係者に適用されます。これらの関係者に一つでも「誠実性」を欠く事由があると、許可を取得することは原則としてできません。ここでは、具体的に誰が、どのような観点から確認の対象となるのかを解説します。

法人役員、個人事業主本人、支配人

  • 法人の場合: 取締役、執行役、監査役、相談役、顧問、株主など、法人の経営に実質的に関与しているすべての役員が対象となります。名目上の役員であっても、登記簿に記載されている場合は確認対象です。
  • 個人事業主の場合: 事業主本人と、その事業を承継している場合は承継者も対象となります。
  • 支配人: 商業登記法上の支配人、つまり本店または支店の事業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を持つ者も対象です。

これらの人物について、過去5年間の刑事罰の有無(特に建設業法、建築基準法、刑法の一部、暴力団対策法など関連法規)、営業停止処分や指示処分の有無が確認されます。具体的には、誓約書、身分証明書、登記されていないことの証明書などを提出して確認します。大阪府では、これらの書類提出に加え、過去の経歴について詳細な記載を求められる場合があります。

営業所の代表者

建設業許可においては、各営業所(本店・支店など)に配置される代表者(営業所長など)も「誠実性」要件の対象です。たとえ法人全体の役員でなくとも、その営業所の業務執行を実質的に統括する立場にある者は、許可申請において誠実性が問われます。

実質的に経営を支配する者

建設業許可の審査では、形式的な役職名だけでなく、実質的に会社の経営を支配している者が誰であるかという点も重視されます。例えば、大株主であるものの役員登記はしていない者や、表には出てこないものの、会社の意思決定に強い影響力を持つ者などがこれに該当する可能性があります。これは、いわゆる「名義貸し」や反社会的勢力との関係を排除するための重要な確認ポイントです。実質的な支配者が誠実性要件を満たさない場合も、許可は認められません。

「誠実性」が欠如していると判断される主な事例

「誠実性」が欠如していると判断されるケースは多岐にわたります。ここでは、主な事例をいくつかご紹介します。これらの事例に該当する場合は、建設業許可の取得や更新が困難になる可能性があります。

不正行為・不誠実な行為

  • 詐欺、横領等の罪: 刑法に規定される詐欺罪、横領罪などで罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わってから5年を経過していない場合。
  • 虚偽申請: 建設業許可申請において、虚偽の事実を記載したり、重要な事実を隠したりする行為があった場合。これは申請者の信頼性を著しく損なう行為とみなされます。
  • 名義貸し: 建設業の許可を他者に利用させる目的で、自己の名義を貸与する行為。建設業法 第三十条により禁止されており、発覚した場合は許可取り消しや罰則の対象となります。

請負契約に関する違反

  • 重大な債務不履行: 過去の請負契約において、正当な理由なく工事を途中で放棄したり、著しく品質の低い工事を行ったり、契約内容を大幅に逸脱した行為があった場合。
  • 不当な下請代金の減額や支払い遅延: 下請業者に対する代金の不当な減額や、支払い期日を過ぎた遅延行為は、建設業法 第四十一条等に違反する行為として、誠実性を欠くと判断されることがあります。
  • 不適切な施工管理: 安全管理を怠り、重大な事故を引き起こしたケースや、手抜き工事が発覚したケースなども、誠実性を疑われる要因となります。

建設業法第八条に挙げられている法令違反以外にも、以下のような法令違反歴は「誠実性」に影響を与える可能性があります。

  • 建設業法違反: 無許可営業、一括下請負の禁止違反、元請負人としての義務違反などで罰金以上の刑に処せられた場合。
  • 建築基準法違反: 違法建築、建築確認申請の不正などで罰金以上の刑に処せられた場合。
  • 労働基準法違反: 賃金不払い、過重労働、安全衛生義務違反などで重大な行政指導や罰則を受けた場合。
  • 税法違反: 法人税、消費税、地方税などの滞納や脱税行為。許可申請時に納税証明書の提出が求められるため、滞納がないことが原則的な確認事項となります。

これらの違反は、その内容や程度、罰則の重さによって「誠実性」の判断に影響を及ぼします。特に、直近5年間の違反歴は厳しく審査される傾向があります。大阪府の申請においても、これらの情報は徹底的に確認されます。

誠実性要件と社会保険・労働保険の関連

建設業許可の「誠実性」要件は、法令遵守の姿勢全体を問うものです。その中でも、社会保険や労働保険(いわゆる社労士管轄の労務関連法規)の適正な加入は、建設業者の「誠実性」を示す重要な要素として、近年ますます注目されています。

建設業における社会保険加入の重要性

建設業は、従業員の雇用形態や現場での作業環境の特殊性から、社会保険(健康保険、厚生年金保険)および労働保険(雇用保険、労災保険)の加入が特に重要視されています。全ての法人事業所と、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、社会保険への加入が法律で義務付けられています。

これは、従業員の生活保障と安全確保のための基本的な義務であり、企業としての社会的責任を果たす上で不可欠です。国土交通省も、建設業における社会保険等未加入対策を推進しており、その徹底を求めています。

参考:国土交通省「建設業における社会保険等未加入対策の徹底について」

社会保険の未加入が許可申請に与える影響

建設業許可の取得・更新の際には、社会保険・労働保険の加入状況が厳しく確認されます。これは、単に許可要件の一つというだけでなく、企業の「誠実性」や法令遵守意識を評価する重要な指標とされているためです。

  • 許可申請・更新時の確認: 大阪府の建設業許可申請においても、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入状況を確認する書類(例えば、健康保険・厚生年金保険の保険料領収証書、雇用保険の加入状況がわかる書類など)の提出が求められます。未加入の場合、原則として許可は認められません。
  • 経営事項審査(経審)への影響: 公共工事を受注するために必要な経営事項審査(経審)においても、社会保険の加入状況は評価項目の一つです。未加入であれば、経審の評価点が減点され、公共工事の受注機会を失う可能性があります。
  • 行政処分・指導のリスク: 社会保険の未加入は、管轄行政庁からの指導の対象となるだけでなく、場合によっては行政処分や罰則の対象となる可能性もあります。これらの処分は、許可の「誠実性」に直接影響し、許可の取り消しにつながることも考えられます。

当事務所は社会保険労務士の資格も有しているため、建設業許可申請と並行して、社会保険・労働保険の新規適用手続きや、既存の加入状況に関するご相談にも対応可能です。許可取得だけでなく、日々の労務管理においても法令を遵守し、健全な企業運営を行うことは、「誠実性」を維持する上で不可欠です。

「誠実性」要件を満たすための日常的な注意点

建設業許可の「誠実性」要件は、一度満たせば終わりというものではありません。日々の企業活動において継続的に法令遵守を心がけ、誠実な事業運営を行うことが重要です。ここでは、そのための具体的な注意点をご紹介します。

法令遵守体制の構築

  • 役員・従業員への教育: 建設業法をはじめとする関係法令の内容を、役員や従業員に定期的に周知し、教育を行うことが重要です。特に、下請法や労働基準法など、日常業務に直結する法律については、その理解を深める必要があります。
  • コンプライアンス規程の整備: 会社の行動規範としてコンプライアンス規程を策定し、不正行為や不誠実な行為を防止するための体制を構築することが推奨されます。
  • 内部チェック体制の確立: 定期的に社内監査を行うなど、自社の法令遵守状況をチェックする体制を確立することで、問題の早期発見・早期解決につなげることができます。

契約管理の徹底

請負契約に関する不誠実な行為は、「誠実性」を欠くと判断される大きな要因となります。そのため、以下のような契約管理の徹底が不可欠です。

  • 契約書の明確化: 元請・下請を問わず、工事請負契約書の内容を明確にし、相互の権利義務を正確に定めることが重要です。曖昧な契約はトラブルの元となります。
  • 工程管理・品質管理の徹底: 契約で定めた工期や品質基準を遵守するため、適切な工程管理・品質管理体制を構築し、実行することが求められます。
  • 下請業者との公正な取引: 下請業者への代金支払いを期日通りに行い、不当な減額や手戻り工事の強制など、下請法に違反する行為を厳に慎む必要があります。

過去の違反に関する情報開示

もし過去に何らかの法令違反や行政処分を受けた経験がある場合は、それを隠蔽するのではなく、許可申請時に正直に情報開示することが原則として重要です。隠蔽が発覚した場合、それ自体が不誠実な行為とみなされ、より重い判断につながる可能性があります。事前に専門家にご相談いただき、どのような情報をどのように開示すべきか、適切な対応を検討することが賢明です。

「誠実性」に関するQ&A

建設業許可の「誠実性」要件に関して、よくいただくご質問とその回答をまとめました。

Q1: 過去に税金を滞納した経験がある場合、許可は取得できますか?

A1: 原則として、過去に税金を滞納し、現在もその滞納が解消されていない場合は、許可の取得は難しいと考えられます。税金の滞納は、納税義務の不履行として「誠実性」を欠く行為とみなされることが一般的です。

ただし、既に滞納が解消されており、その事実を証明できる場合は、個別の状況に応じて判断が分かれることもあります。大阪府の申請においては、納税証明書によって納税状況が確認されますので、事前に納税を完了させておくことが重要です。ご自身の状況に不安がある場合は、早めに専門家にご相談ください。

Q2: 営業停止処分を受けた役員がいた場合、許可申請は可能ですか?

A2: 建設業法第八条で定められている通り、営業停止処分を受け、その停止期間が経過していない場合は、原則として許可は認められません。また、停止期間が経過した後であっても、その経緯や期間、内容によっては、行政庁が慎重に判断する場合があります。

営業停止処分を受けたのがどの程度前であるか、またその処分に至った経緯について、詳細に行政庁から説明を求められることがあります。正確な情報提供と、再発防止策を講じていることなどを説明できるよう準備しておくことが望ましいでしょう。

Q3: 誠実性要件に不安がある場合、どうすればよいですか?

A3: 誠実性要件は、建設業許可の中でも特に判断が難しく、個別の状況によって結論が異なる場合があります。過去の経歴で不安な点がある場合は、ご自身で判断せずに、建設業許可申請に詳しい行政書士にご相談いただくことを推奨します。

当事務所のような専門家は、過去の事例や大阪府の審査傾向を熟知しており、お客様の状況を詳細にお伺いした上で、許可取得の可能性や必要な対応策について具体的にアドバイスを提供できます。時には、許可取得を諦めるのではなく、適切な準備や期間を経ることで許可取得が可能になるケースもあります。

専門家への相談が許可取得への近道

建設業許可の「誠実性」要件は、建設業を営む上で法令を遵守し、社会的な信頼を維持するための極めて重要な基準です。この要件を満たしているかどうかの判断は複雑で、法的な知識だけでなく、大阪府をはじめとする各都道府県の申請実務や審査傾向を理解している必要があります。

当事務所は、大阪府を主な活動拠点とする行政書士・社会保険労務士として、建設業許可の申請を数多くサポートしてまいりました。建設業法だけでなく、労務管理に関する社会保険労務士の知見も活かし、多角的な視点からお客様の事業運営を支援いたします。許可取得・更新に向けた事前準備から申請手続き、そして許可後の法令遵守体制の構築まで、きめ細やかなサポートを提供いたします。

建設業許可の「誠実性」要件についてご不明な点がある場合や、許可取得に不安を感じる場合は、お一人で悩まずに、ぜひ一度当事務所までご相談ください。お客様の状況に合わせて、最適なサポートプランをご提案させていただきます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

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