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2026.09.14
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業を営む皆様にとって、事業の拡大や多角化は常に考えるべき重要な課題でしょう。その際、建設業許可の要件の一つである「専任技術者」の配置は、避けて通れないテーマとなります。
特に、複数の業種の許可を取得したい、または複数の営業所を設けたいとお考えの場合、専任技術者をどのように配置するかが、事業計画の成否を分けるポイントになり得ます。本記事では、建設業許可における専任技術者の複数配置について、その具体的なメリットと必要な要件を、大阪府の申請実務を主軸に解説します。経営の安定化や事業拡大を検討されている建設業者の皆様にとって、具体的な一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
建設業許可を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。その中でも特に重要なのが、「専任技術者」の配置です。
専任技術者とは、建設業法 第七条 第ニ号および第十五条 第ニ号に定められている、営業所に常勤して業務に従事する技術者のことを指します。建設工事の適正な施工を確保するため、建設工事に関する一定の資格や実務経験を有する者を、各営業所に配置することが義務付けられています。
一般建設業許可の場合、原則として各営業所に1人以上の専任技術者を配置する必要があります。特定の建設業許可では、より厳しい要件が課されます。
専任技術者の具体的な要件については、以前の記事「建設業許可の要!専任技術者の指定学科と実務経験を証明する方法【大阪府対応】」でも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
専任技術者は最低限1人の配置が求められますが、事業の成長を視野に入れると、複数の専任技術者を配置することが有効な経営戦略となり得ます。ここでは、その主なメリットをいくつかご紹介します。
建設業許可は、建設工事の種類(業種)ごとに取得する必要があります。例えば、建築一式工事の許可を持っていても、電気工事を行うには電気工事の許可が別途必要です。
複数の業種で許可を取得する場合、それぞれの業種ごとに専任技術者の要件を満たす必要があります。一人の技術者が複数の業種の要件を満たすことも可能ですが、保有資格や実務経験によっては対応できる業種が限られることがあります。
複数の専任技術者を配置することで、異なる業種の許可を同時に、または順次取得・維持しやすくなり、受注できる工事の幅を広げることが期待できます。
事業規模の拡大に伴い、支店や営業所を新設・増設することも考えられます。建設業法では、原則として各営業所に専任技術者を常勤させることが義務付けられています。
複数の専任技術者を確保しておくことで、新たな営業所を開設する際に、迅速かつスムーズに許可申請を進めることが可能になります。これは、事業エリアの拡大や地域密着型サービス展開にとって、大きな強みとなり得るでしょう。
もし営業所に一人の専任技術者しかいない場合、その方が何らかの理由で常勤できなくなった場合(例:病気、退職、長期休暇など)、許可要件を満たせなくなるリスクがあります。これは、最悪の場合、無許可状態での営業とみなされ、業務停止命令や罰則の対象となる可能性も考えられます。
複数の専任技術者を配置することで、このような緊急事態が発生した場合でも、他の技術者が業務を引き継ぎ、許可要件を満たし続けることができます。これにより、事業の継続性を高め、予期せぬリスクを分散することが可能になります。
公共工事への入札を検討する場合、経営事項審査(経審)は避けて通れません。経審では、技術力や経営状況など様々な項目が評価されますが、専任技術者の多さ自体が直接的な評価項目となるわけではありません。
しかし、複数の専任技術者を配置しているということは、技術者層が厚いことを意味し、企業の技術力や組織体制の充実を示す間接的な要素となり得ます。また、従業員の資格取得支援やスキルアップを積極的に行っていると評価されれば、経審の社会性等評価(W点)の一部にも間接的に良い影響を与える可能性も考えられます。詳しくは「建設業許可と経営事項審査|社会性等評価(W点)を高める具体的な対策【大阪府の建設業者向け】」をご参照ください。
専任技術者を複数配置する場合も、基本的な要件は一人で配置する場合と同様ですが、いくつかの注意点があります。特に「常勤性」については詳しく確認しておく必要があります。
専任技術者は、それぞれが担当する業種について、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。
複数の業種の許可を取得したい場合は、それぞれの業種に対応する資格や実務経験を持つ技術者を配置する必要があります。一人の技術者が複数の業種の要件を満たすことも可能ですが、その場合は、その技術者が常勤する営業所において、当該業種の全てに対応できることを証明する必要があります。
建設業法 第七条 第ニ号に規定される「常勤」とは、原則としてその営業所に継続的に勤務し、職務に従事している状態を指します。
常勤性の確認資料としては、健康保険被保険者証の写し、雇用保険被保険者証の写し、住民税特別徴収税額決定通知書などが用いられます。社会保険や雇用保険への適正な加入は、常勤性を証明する上でも非常に重要な要素となります。
専任技術者は、その職務の性質上、他の役職との兼任には一定の制限があります。
兼任の可否については、建設業法施行規則 第七条などで定められていますので、ご自身の状況に応じて、管轄の行政庁にご確認ください。
専任技術者の要件を満たしていることを証明するためには、適切な書類を提出する必要があります。以下に主な証明方法をご紹介します。
保有する国家資格や学歴を証明する場合、以下の書類を準備します。
学歴のみで要件を満たす場合、原則として実務経験証明書は不要ですが、場合によっては実務経験の期間を証明する資料の提出を求められることもあります。
実務経験で要件を満たす場合、過去の工事に関する資料を提出し、経験期間や内容を証明する必要があります。
実務経験の証明は、期間が長く、また詳細な書類が必要となるため、準備に時間がかかることがあります。特に個人事業主時代の経験を証明する場合は、税務申告書や確定申告書なども併せて準備することが求められる場合があります。
すでに建設業許可をお持ちの事業者様が、専任技術者を追加したり、交代したりする際には、変更届の提出が必要となります。大阪府における主な手続きの流れは以下の通りです。
専任技術者の変更・追加に必要な書類は多岐にわたりますが、主に以下のものが挙げられます。
書類の様式や必要部数は、都道府県によって異なる場合があります。大阪府の場合、最新の情報は大阪府のホームページや建設業許可担当窓口で確認することをおすすめします。
大阪府知事許可の変更届は、大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室建築振興課建設業許可グループ(本庁)が窓口となります。申請手数料は、専任技術者の変更・追加のみであれば発生しないことが一般的ですが、同時に業種追加などを行う場合は別途手数料が必要になる場合がありますのでご注意ください。
申請書類の提出方法についても、郵送や窓口持参など、管轄行政庁の指示に従う必要があります。
専任技術者の変更届提出から処理が完了するまでの期間は、書類の不備がない場合、概ね数週間から1ヶ月程度が目安となることがあります。ただし、申請時期や審査状況によって変動する可能性もありますので、余裕を持った手続きを心がけることが大切です。
特に、有効期間の短い他の許可(例:入札参加資格など)と連動している場合は、早めの手続きが推奨されます。
専任技術者の要件において、その「常勤性」を証明することは非常に重要です。この常勤性を裏付ける有力な資料の一つが、社会保険(健康保険、厚生年金保険)や雇用保険の加入状況です。
建設業においては、建設業法 第三十四条の二等により、社会保険・労働保険の加入が義務付けられており、未加入の事業者は建設業許可の取得や更新が困難になる可能性があります。また、建設業法 第七条 第六号では、許可要件の一つとして、適正な社会保険等への加入が求められています。
当事務所は社会保険労務士の資格も有しておりますので、建設業許可申請と並行して、専任技術者を含む従業員の社会保険・労働保険の適正な加入手続き、労務管理に関するご相談にも横断的に対応することが可能です。適正な労務管理は、企業の信頼性向上だけでなく、経営事項審査(経審)の社会性等評価にも影響を与える重要な要素です。詳細については「建設業許可と社会保険・労働保険|一体的な対応で企業信頼性と経営安定化を実現【大阪府対応】」でも解説しています。
建設業許可の専任技術者の複数配置に関する手続きは、要件の確認から必要書類の収集・作成、そして行政庁との折衝まで、多くの時間と専門知識を要します。特に、複数の業種や営業所に関わる場合、その複雑さは増します。
当事務所のような行政書士・社会保険労務士の専門家に依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。
行政書士への依頼費用は、申請内容によって異なりますが、専任技術者の変更届や業種追加を含む場合、目安として数万円から数十万円程度となることが多いです。具体的な費用については、事前の相談で明確な見積もりをご提示することが原則です。DIYと専門家への依頼を比較検討し、ご自身の状況に合った選択をされることを推奨します。
Q1: 専任技術者は、何人まで配置できますか?
A1: 建設業法上の人数制限は原則としてありません。各営業所、各業種の許可要件を満たし、それぞれが常勤性を証明できれば、複数人配置することは可能です。
Q2: 一人の専任技術者が、複数の営業所の専任技術者を兼任できますか?
A2: 原則として、一人の専任技術者が複数の営業所の専任技術者を兼任することはできません。専任技術者は、その営業所に常勤していることが求められるためです。ただし、営業所と工事現場が非常に近接している等の例外的なケースについては、管轄行政庁の判断によって兼任が認められる可能性もゼロではありません。個別のケースについては、行政庁にご確認ください。
Q3: 専任技術者を増やすことで、経審の点数は上がりますか?
A3: 専任技術者の数そのものが、経審の点数に直接的に影響する項目は一般的にありません。しかし、技術者層が厚くなることで、企業の技術力や組織体制の充実度をアピールする間接的な要素となり得るほか、資格保有者の増加は技術職員数として評価項目に反映される可能性があります。
本記事では、建設業許可における専任技術者の複数配置について、そのメリット、必要な要件、および手続きの流れを、大阪府の申請実務を主軸に解説しました。
専任技術者の複数配置は、複数業種への事業展開、営業所の拡大、そして万が一の際のリスクヘッジといった側面から、貴社の事業成長を力強く後押しする戦略となり得ます。要件の判断や複雑な書類作成、行政庁との調整は専門知識を要しますが、適切な準備と手続きを行うことで、貴社のビジネスチャンスを広げることが期待できます。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
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