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2022.01.28
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業をされている方の中には、解体工事をするときに許可が必要なのかどうか気になる人もいるのではないでしょうか。
請負金額の500万円というのが許可が必要かどうかの基準になる金額として、判断されている人も多いかと思います。
一般的な話として、500万円未満の工事は軽微な工事として建設業許可を持たない事業者でも工事を受注することが出来ます。
その為、500万円以下の軽微な工事で実績・経験を積み、いずれは建設業許可を取得して、大きな工事を受注するというのが建設業者のステップアップとなります。
しかし、解体工事については軽微な工事についても規制がされており、建設業許可をもっていない場合には解体工事業の登録というものが必要になります。
今回は解体工事業を、これからはじめようと検討している方に向けて解体工事業登録と建設業許可(解体工事)について解説します。
解体工事が他の建設業の業種と違って、許可以外にも登録という制度がある理由は建築リサイクル法にあります。これは、平成12年に施工された法律で、廃棄物の発生量が増大してきた中で、建設工事に伴って廃棄される排出量が産業廃棄物全体の2割を占め、不法投棄の約6割を占めていたことから、この解決策として資源の有効な利用を確保する目的で、廃棄物について再資源化をおこなうために制定されたものです。
この建築リサイクル法の施行をうけ、適正な解体工事の実施を確保する観点から解体工事業者の登録制度が各都道府県に創設されました。
この法律が施行された当時は、解体工事は建設工事業の中で付随的なものとして扱われていた為に独立した業種ではありませんでした。その為、平成28年6月までは、とび・土工工事業に解体工事業が含まれているという扱いでした。また、土木一式工事業・建築一式工事業の許可を持っている事業者も軽微な工事については許可の範囲に含まれるという考えから、別途解体工事業の登録は不要でした。この土木一式工事業、建築一式工事業については平成28年の改正後も登録について同じ扱いとされています。とび・土工工事業については、平成28年に新たに解体工事業の許可が創設された後、もともとのとび・土工工事業の許可事業者については令和元年5月までは、解体工事の施工が可能でしたが、現在は新たに解体工事業の許可を取得するか解体工事業登録が必要となっています。
それでは、解体工事業登録について解説していきます。
建設業許可と大きく違う点としては、建設業の経営者としての経験が必要な経営管理責任者が不要であり、一定の財産的基礎・金銭的信用があることを証明するための500万円の資金要件も不要です。
しかし、上で述べたように建設リサイクル法についての一定の理解と施工技術が必要となるため技術管理者が常勤することが必要です。これは建設業許可における、専任技術者に準じるような者となりますが若干、要件が緩くなっています。
但し、この解体工事業登録は登録先の都道府県内でのみ有効である為に他の都道府県で解体工事をおこなうことは出来ません。
まとめると、建設業の解体工事業の許可との違いは以下のようになります。
・500万円未満の軽微な解体工事が出来る
・技術管理者が必要
・登録した都道府県以外での工事は出来ない
この解体工事業登録をする為の主な要件としては、技術管理者が確保出来るかどうかになります。この技術管理者は代表者や法人役員である必要はありませんので、経営者自身が要件を満たさない場合でも従業員に一定の経験や資格を持つものが在籍していれば要件をクリア出来ます。
それでは、一定の経験や資格というのはどういうものでしょうか。一定の経験として実務経験で技術管理者となる場合は下記の表のようになります。
学歴 | 経験年数 | |
通常 | 講習受講者 | |
一定の学科を履修した大学・高専卒 | 2年 | 1年 |
一定の学科を履修した高校卒 | 4年 | 3年 |
上記以外 | 8年 | 7年 |
※一定の学科とは、土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科をいいます。
※全国解体工事業団体連合会が実施する解体工事施工技術講習を受講した場合には上記の表の実務経験の期間が1年短縮されます。
技術管理者になれる資格は下記のものです。
一部資格では、資格だけでなく一定の実務経験が必要なものもあります。
・一級建設機械施工技師
・二級建設機械施工技師
・一級土木施工管理技師
・二級土木施工管理技師(土木)
・一級建築施工管理技師
・二級建築施工管理技師(建築、躯体)
・技術士(建設部門)
・一級建築士
・二級建築士
・一級とび+とび工
・二級とび+実務経験1年
・二級とび工+実務経験1年
・解体工事施工技師
登録の有効期間は5年間となっており、有効期間満了の30日前までに、更新手続きをおこなう必要があります。
更新手続きは有効期間が満了する3ケ月前から受付しています。
登録手数料は新規33,000円、更新26,000円となっています。
以上のように、解体工事業をおこなう場合は500万円未満の軽微な工事しか取り扱わない場合でも登録が必要となる為、注意が必要です。許可に比べると登録するためのポイントは少ないのでご自身で申請される方も多いですが、準備する資料や申請書等の作成が不安な方は、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。
初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。
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