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2026.06.09
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業を営む上で、「建設業許可」は事業の規模拡大や信頼性向上に欠かせない重要な要素です。しかし、「どこから手を付ければいいのか」「どんな書類が必要なのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった疑問や不安をお持ちの経営者様も少なくないでしょう。
本記事では、建設業許可の取得を検討している個人事業主様や法人様、あるいは既存の許可に業種追加を考えている事業者様向けに、許可の種類から申請要件、具体的な手続き、必要書類、費用目安までを網羅的に解説します。皆様がご自身の状況に応じて適切な判断を下し、スムーズに許可を取得できるよう、現場で起こりがちなつまずきポイントにも触れながら分かりやすくご説明いたします。
建設業許可は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するために、建設業法(e-Gov法令検索:建設業法)に基づき国土交通大臣または都道府県知事が与える許可です。
原則として、建設工事を請け負う場合、建設業許可が必要です。ただし、軽微な工事のみを請け負う場合は、許可が不要とされています(建設業法 第三条第一項)。「軽微な工事」とは、以下のいずれかの条件を満たすものです。
これらの軽微な工事のみを請け負う場合でも、元請として工事を請け負うことが多く、下請業者への発注が伴う場合は、許可取得を検討することが一般的です。また、公共工事の入札に参加するには、金額の大小にかかわらず建設業許可が必須となります。
建設業許可は、申請する事業所の所在地によって「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」の2種類に分かれます(建設業法 第三条)。
営業所の定義は、単なる登記上の住所ではなく、建設工事の契約締結や見積もり、施工管理など、実質的な営業活動を行う拠点を指します。
建設業許可には、さらに「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の区分があります(建設業法 第三条)。この区分は、主に元請として下請業者に発注する工事の金額によって決まります。
ご自身の事業規模や将来の展望に合わせて、適切な許可の種類を選択することが重要です。この違いについてさらに詳しく知りたい場合は、関連する当サイトの別記事をご参照いただくことも有用です。
建設業許可を取得するには、建設業法(建設業法 第七条、第十五条)で定められた複数の要件を満たす必要があります。これらの要件は、建設工事の適正な施工と経営体制の健全性を確保するためのものです。
建設業の経営は専門性が高く、適切な経験を持つ人材が管理することが求められます。原則として、申請者には「適切な経営能力を有すること」として、以下のいずれかの経験を持つ者がいることが必要です。
これらの要件は、2020年10月1日の建設業法改正により「経営業務の管理責任者」から「適切な経営能力を有すること」へと文言が変更され、複数の人物で要件を満たすことも可能となるなど、柔軟な解釈が一部で認められるようになりました。具体的な要件は、申請する都道府県によって解釈が異なる場合があるため、管轄の行政庁にご確認ください。
建設工事の技術的な側面を管理する「専任技術者」の配置も必須です。専任技術者は、申請する許可業種ごとに、以下のいずれかの要件を満たす必要があります(建設業法 第七条第二号、第十五条第二号)。
専任技術者は、営業所に常勤していることが求められます。また、複数の業種を申請する場合は、それぞれの業種について専任技術者を配置するか、一人の技術者が複数の業種の要件を満たしている必要があります。
【水道施設工事の例】
例えば、水道施設工事の許可を取得する場合、専任技術者としては、1級または2級管工事施工管理技士、技術士(上下水道部門)などの資格者が認められるのが一般的です。資格がない場合でも、水道施設工事に関する10年以上の実務経験を証明できれば要件を満たすことが可能です。
建設工事を適切に遂行するための財産的な裏付けも求められます。これは、建設業者として信頼性を担保する重要な要件です。
これらの財産的基礎は、申請時だけでなく、許可取得後も維持することが求められる点にご留意ください。
建設業許可を取得するためには、申請者やその役員等が、建設業法に定める「誠実性」を有し、また「欠格要件」に該当しないことが求められます(建設業法 第七条第四号、第五号、第十五条第四号、第五号)。
これらの要件は、建設業が社会的に信頼される事業であるために非常に重要視されます。
建設業許可申請は、準備に時間と手間がかかる手続きです。計画的に進めることがスムーズな許可取得の鍵となります。
許可が下りるまでの期間は、申請先の行政庁や書類の状況にもよりますが、知事許可で概ね1ヶ月〜2ヶ月、大臣許可で3ヶ月〜4ヶ月程度が目安とされています。
建設業許可申請に必要な書類は非常に多岐にわたります。主な書類は以下の通りです。
これらの書類の中には、行政書士が代理作成できるものと、ご自身で取得する必要があるものが含まれます。特に実務経験を証明する資料は、日頃から整理しておくことが後々の申請をスムーズにする上で役立つ可能性があります。
個人事業主と法人では、申請に必要な書類や手続きの一部に違いがあります。
どちらの形態で申請する場合でも、共通して求められる書類は多いため、それぞれの状況に応じた書類リストを早めに作成し、抜け漏れなく準備することが重要です。
すでに建設業許可をお持ちの事業者様でも、事業拡大に伴い、新たな業種の許可が必要になることがあります。これを「業種追加」といいます。
現在許可を受けていない建設工事の種類の請負を行う場合に、業種追加が必要になります。例えば、土木一式工事の許可しか持っていなかった事業者が、新たに舗装工事や水道施設工事を直接請け負うようになる場合などが該当します。
既存の許可業種で対応できない工事を請け負う場合、無許可工事とみなされるリスクがあるため、事業展開に合わせて計画的に業種追加を行うことが大切です。
業種追加の申請でも、新規申請と同様に、追加する業種ごとに以下の要件を満たす必要があります。
経営業務の管理責任者の要件は、すでに満たしていると判断されることが一般的ですが、過去の経験内容が不十分と判断されるケースもゼロではありません。申請前に要件を改めて確認することが望ましいです。
業種追加の申請は、新規申請に準じた手続きで行います。主な流れは以下の通りです。
注意点としては、許可の有効期間は既存の許可に合わせられるため、有効期間が短い時期に業種追加を行うと、すぐに更新申請が必要になる場合があります。更新申請と同時に業種追加を行うことも可能ですので、手続きの効率化を図る上で検討するのも良いでしょう。
建設業許可の取得や業種追加には、法定費用と、もし行政書士に依頼する場合の報酬が発生します。
申請には、以下の法定費用(国や都道府県に支払う手数料)がかかります。
これらの手数料は、申請を却下された場合でも返還されないため、申請前の入念な準備が重要です。
建設業許可申請は複雑であり、多岐にわたる書類作成や要件確認が必要です。そのため、多くの事業者様が行政書士に依頼されます。行政書士への依頼費用は、事務所や依頼内容、事業規模によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
この費用には、書類作成代行、要件確認、役所との事前調整などが含まれることが一般的です。別途、役所からの証明書取得費用や交通費などの実費が発生する場合があります。
ご自身で申請(DIY)する場合、法定費用のみで済むため、費用を抑えることが可能です。しかし、申請書類の作成には専門知識が必要であり、行政庁との事前相談や書類の収集・整理には膨大な時間と労力がかかります。また、不備があれば審査期間が長期化したり、最悪の場合、申請が却下されるリスクも考えられます。
一方、行政書士に依頼すれば、専門知識に基づいたスムーズな手続きが期待でき、事業主様は本業に集中できます。費用はかかりますが、申請の確実性が高まり、時間と手間を大幅に削減できるというメリットがあります。ご自身の時間的余裕や専門知識、費用対効果を考慮して、どちらがご自身に適しているかを判断されることをお勧めします。
建設業許可は一度取得すれば終わりではありません。事業を継続していく上で、定期的な更新手続きや、公共工事を請け負う場合に必要となる経営事項審査(経審)への対応も重要です。
建設業許可の有効期間は、原則として5年間です(建設業法 第十三条)。有効期間満了後も引き続き建設業を営む場合は、期間満了日の30日前までに更新申請を行う必要があります。
更新申請では、新規申請時と同様に、経営業務の管理責任者や専任技術者、財産的基礎の要件を引き続き満たしているかどうかが審査されます。過去の決算変更届(事業年度終了届)の提出状況も確認されるため、日頃からの適切な帳簿管理と届出が不可欠です。
更新手続きの詳細については、当サイトの関連する別記事で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。
公共工事の入札に参加するためには、建設業許可とは別に「経営事項審査(経審)」を受ける必要があります(建設業法 第二十七条の二十三)。経審は、建設業者の経営状況や施工能力を客観的に評価する制度で、その結果に基づいて「総合評定値(P点)」が算出されます。
この総合評定値は、各発注機関が行う入札参加資格審査(格付け)の重要な要素となります。経審は毎年受ける必要があり、点数を上げることで、より大規模な公共工事の入札に参加できる可能性が高まります。経審対策としては、適切な会計処理、技術者の確保、ISOなどの品質管理システムの導入などが挙げられます。
A1: はい、個人事業主の方でも建設業許可を取得することは可能です。法人の場合と同様に、経営業務の管理責任者(個人事業主ご自身が要件を満たすことが一般的です)、専任技術者、財産的基礎などの要件を満たし、必要な書類を提出すれば許可を受けられます。
A2: はい、複数の業種を同時に申請することは可能です。ただし、申請するすべての業種について、それぞれ専任技術者の要件を満たしている必要があります。一人の技術者が複数の業種の要件を満たしていれば問題ありませんが、満たさない場合は、それぞれの業種に対応する別の専任技術者を配置する必要があります。
A3: 申請準備期間を含めると、知事許可の場合で書類収集・作成に1ヶ月~2ヶ月、審査に1ヶ月~2ヶ月程度で、合計2ヶ月~4ヶ月程度かかることが一般的です。大臣許可の場合はさらに審査期間が長くなる傾向があります。書類の不備があると、さらに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることをお勧めします。
A4: 建設業許可を持つ事業者は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出することが義務付けられています(建設業法 第十一条)。新規申請や更新申請時には、過去の決算変更届が全て提出されていることが原則として求められます。未提出の場合は、まず過去の届出を遡って提出することが必要となるため、早急に対応されることを推奨します。
本記事では、建設業許可の取得、業種追加、そして許可取得後の重要な手続きについて、その種類から要件、流れ、費用目安までを幅広く解説しました。
建設業許可は、事業の信頼性を高め、取引を拡大していく上で大変重要なものです。その取得には、多くの専門知識と時間、そして膨大な書類の準備が必要です。要件を満たしているかどうかの判断や、膨大な書類作成に不安を感じる場合は、専門家である行政書士に相談することも一つの有効な選択肢です。
ご自身の事業の発展のために、本記事が建設業許可取得の一助となれば幸いです。
建設業許可の取得・更新・業種追加、または経営事項審査についてご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。お客様の状況に合わせた最適なサポートをご提案いたします。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門の行政書士にご確認ください。
といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。