ブログ記事
2026.07.09
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業を営む皆様へ。事業の成長には、建設業許可の取得が重要な要素となります。しかし、その手続きの複雑さや、許可がもたらす具体的なメリットが不明瞭で、一歩踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、建設業許可が貴社の事業にもたらす「信用力向上」と「新規受注機会の拡大」について、具体的な視点から解説します。特に大阪府での申請実務に焦点を当て、許可取得に向けた準備や、その後の事業展開に役立つ情報を提供します。
結論から申し上げますと、建設業許可は、単に法律で定められた義務を果たすだけでなく、企業の信頼性を高め、より大きな事業へとステップアップするための強力なツールとなり得ます。具体的には、公共工事への参入、元請けとしての大型民間工事の受注、金融機関からの融資の受けやすさなど、多岐にわたるメリットが期待できます。
建設業許可は、建設業法(e-Gov法令検索 建設業法)に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負うために必要な許可です。具体的には、1件の請負代金の額が500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上または木造以外の建物の延べ面積150㎡以上)を請け負う際に必要とされます(建設業法 第3条)。
この許可を取得することで、企業は法令を遵守した事業運営を証明し、様々な事業機会への道が開かれます。許可は、単なる法的義務の履行にとどまらず、貴社の事業を次のステージへと押し上げるための重要な基盤となります。
建設業許可の取得は、対外的な信用力を大きく向上させる効果が期待できます。
建設業許可の取得は、事業の幅を広げ、新たな受注機会を獲得するための重要なステップです。
建設業許可には、その種類によって適用範囲や要件が異なります。貴社の事業計画に合わせて適切な許可を選ぶことが重要です。
まず、営業所の所在地に応じて「知事許可」と「大臣許可」に分かれます。
次に、請け負う工事の規模によって「一般建設業許可」と「特定建設業許可」に分かれます。
また、建設工事の種類は29業種に分類されており、許可はこれらの業種ごとに取得します。貴社が請け負う工事内容に応じて、必要な業種を選定して申請する必要があります。
建設業許可を取得するためには、建設業法 第7条に定められたいくつかの要件を満たす必要があります。ここでは、主な要件と大阪府での準備ポイントについて解説します。
許可を受けようとする建設業に関して、適正な経営業務を遂行する能力を有する者がいることが求められます。これは、建設業の経営における豊富な経験や判断力を持つ人物の配置を義務付けるものです。具体的には、以下のいずれかの経験が必要です。
この人物は、常勤であることが必須です。大阪府では、健康保険証や住民票、源泉徴収票などにより常勤性を確認することが一般的です。個人の状況により、求められる書類が異なる場合がありますので、事前の確認が重要です。
許可を受けようとする営業所ごとに、その業種に関する専門知識や技術を持つ「専任技術者」を常勤で配置する必要があります(建設業法 第7条 第2号)。
専任技術者となるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
実務経験で申請する場合、その経験を客観的に証明する書類(確定申告書、工事請負契約書、請求書、請書など)が多数必要となります。大阪府では、これらの書類から実務経験が明確に確認できるか厳しく審査される傾向があります。証明が難しい場合もありますので、早めに準備に取り掛かることを推奨します。
建設工事を適正に実施するに足りるだけの財産的基礎や金銭的信用があることが求められます(建設業法 第7条 第4号、第15条 第3号)。これは、請け負った工事を途中で投げ出さないための経済的な裏付けを示すものです。
これらの要件は、会社の貸借対照表や損益計算書、預金残高証明書などで確認されます。財務状況に不安がある場合は、増資や利益の蓄積、借入金の圧縮など、計画的な財務改善が必要となる場合があります。
法人やその役員、個人事業主などが、請負契約に関して不正な行為や不誠実な行為を行うおそれがないことが求められます(建設業法 第7条 第5号)。具体的には、詐欺、脅迫、横領などの行為や、請負契約に違反する行為を行っていないことが確認されます。
建設業法 第8条に定められた欠格要件に該当しないことが必要です。これには、過去に懲役刑や罰金刑を受けて一定期間が経過していない、破産手続き開始の決定を受けて復権を得ていない、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反した経歴がある、などが含まれます。
建設業許可の申請は、多くの書類を準備し、行政庁の審査を受けるプロセスです。ここでは、大阪府知事許可の場合を主軸に、一般的な流れを解説します。都道府県によって手続きや書式が異なる場合があります。
大阪府知事許可の申請を検討する際は、まず大阪府住宅まちづくり部建築振興課建設業許可グループへ事前相談を行うことを推奨します。ここで、貴社の状況が許可要件を満たしているか、必要な業種は何か、どのような書類が必要になるかなど、具体的なアドバイスを受けることができます。申請書類が膨大であり、また内容も複雑なため、初回申請の場合は特にこのステップが重要です。
建設業許可の申請には、非常に多岐にわたる書類が必要です。主な書類は以下の通りです。
上記はごく一部であり、申請する業種や法人・個人事業主の別、事業所の状況によって必要な書類は大きく異なります。書類の不備は審査期間の長期化や不許可につながる可能性もあるため、正確な準備が求められます。
必要書類がすべて整ったら、大阪府の所定の窓口に申請書を提出します。提出時には、行政庁への手数料を納付する必要があります。
申請書が受理されると、行政庁による審査が開始されます。審査では、提出された書類の内容が建設業法の要件を満たしているか、記載内容に虚偽がないかなどが確認されます。必要に応じて追加書類の提出や、担当者からの問い合わせがある場合もあります。審査を通過すれば、建設業許可が与えられ、許可通知書が交付されます。
建設業許可の取得には、行政庁への手数料と、専門家へ依頼する場合の費用、そして準備から取得までの期間がかかります。
(建設業法 第10条 第1項)
ご自身で申請することも可能ですが、複雑な要件確認や書類作成を専門家に依頼することで、時間と労力を節約し、スムーズな許可取得を目指すことができます。行政書士に建設業許可申請を依頼する場合の費用は、許可の種類(知事/大臣、一般/特定)、申請する業種数、準備状況などによって変動します。目安としては、新規の一般建設業許可で1業種の場合、20万円〜40万円程度(税別)が一般的な相場となりえます。
建設業許可の準備から取得までの期間は、貴社の状況や書類の準備状況、行政庁の審査状況によって大きく異なります。
全体として、申請を決意してから実際に許可が下りるまでには、2ヶ月〜4ヶ月程度の期間を見ておくことが一般的です。
建設業許可は、一度取得すれば永続するものではありません。許可の有効期間は5年間であり、有効期間満了日の30日前までに更新申請を行う必要があります(建設業法 第3条 第3項)。更新を怠ると、許可は失効し、再度新規で申請し直さなければなりません。
また、許可取得後も、商号(会社名)や所在地、役員の変更、資本金の変更など、許可内容に関する重要な事項に変更があった場合は、変更届出書を速やかに提出する義務があります(建設業法 第11条)。特に、毎事業年度終了後4ヶ月以内に提出が義務付けられている「決算変更届」は、許可の維持に欠かせない手続きです。これらの手続きを適切に行うことで、許可の効力を維持し、事業の継続性を保つことができます。
建設業許可を取得・維持する上で、労務管理や社会保険への対応も非常に重要です。社会保険労務士の知見から、この点についても触れておきます。
建設業は、健康保険法、厚生年金保険法、労働基準法、労働安全衛生法などの法令遵守が厳しく求められる業界です。特に、従業員を雇用している企業は、社会保険(健康保険、厚生年金保険)および労働保険(雇用保険、労災保険)への加入が義務付けられています。
当事務所では、行政書士として許可申請をサポートするだけでなく、社会保険労務士として建設業に関わる労務管理、雇用保険、社会保険の手続きについても横断的に対応し、貴社の事業を多角的にサポートすることが可能です。
A1: 原則として、1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満または木造以外の建物の延べ面積150㎡未満)の工事のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。しかし、将来的に事業規模を拡大し、より大きな工事を受注することを検討しているのであれば、早めの許可取得を推奨します。許可は信用力向上にもつながります。
A2: 建設業許可の申請はご自身で行うことも可能です。しかし、要件の複雑さ、必要書類の多さ、行政庁との調整など、多大な時間と労力を要することが一般的です。特に初めての申請では、書類の不備による差し戻しや審査期間の長期化といったリスクも考えられます。専門家である行政書士に依頼することで、これらの負担を軽減し、スムーズな許可取得を目指すことが期待できます。
A3: 個人事業主として取得していた建設業許可を、法人成りした新しい法人にそのまま引き継ぐことはできません。法人成りした場合は、新しい法人として改めて新規に建設業許可を申請する必要があります。この際も、法人の要件を改めて確認し、適切な手続きを行うことが重要です。
A4: はい、複数の業種を一度に申請することは可能です。ただし、申請する業種ごとに「専任技術者」の要件を満たす必要があります。例えば、電気工事と管工事の許可を同時に申請する場合、それぞれの業種に対応する資格や実務経験を持つ専任技術者を配置しなければなりません。費用も業種数に応じて増加する場合があります。
本記事では、建設業許可が貴社の事業にもたらす信用力向上と新規受注機会の拡大、許可の種類、取得要件、申請の流れ、費用・期間、そして許可取得後の重要な手続きについて解説しました。
建設業許可は、貴社の事業を安定させ、さらなる発展へと導くための強力なパスポートとなりえます。要件を満たし、適切な手続きを踏むことで、より大きなビジネスチャンスを掴むことが可能になります。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
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