建設業許可なしで工事を行うとどうなる?重大な罰則と事業リスクを解説【大阪府の申請実務】 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
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建設業許可なしで工事を行うとどうなる?重大な罰則と事業リスクを解説【大阪府の申請実務】

2026.07.08

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

大阪府で建設業を営む皆様、またはこれから建設業を始めようとお考えの皆様の中には、「建設業許可が必要なのは知っているけれど、具体的にどのようなリスクがあるのか」「許可がないとどのような罰則があるのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

建設業許可は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者の保護と建設業の健全な発展を目的として、建設業法に基づき設けられた重要な制度です。許可を持たずに一定規模以上の工事を請け負うことは、重大な法令違反となり、事業者様にとって計り知れない罰則と事業リスクを伴います。最悪の場合、事業の継続が困難になる可能性も考えられます。

この記事では、建設業許可を持たずに工事を行った場合に課される罰則と、それが事業にもたらす深刻なリスクについて、大阪府の申請実務を交えながら詳しく解説します。適切な許可取得の重要性を理解し、健全で安定した事業運営を目指す一助となれば幸いです。

目次

建設業許可とは?なぜ必要なのか

建設業許可は、建設業を営むすべての事業者に求められるものではなく、一定の工事を請け負う場合に必要となります。まずは、その基本的な考え方を確認しましょう。

建設業許可の基本原則と対象工事

建設業法 第3条は、「建設業を営もうとする者は、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。」と定めています。ただし、すべての工事で許可が必要となるわけではありません。建設業法 第3条第1項ただし書きに規定される「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、許可が不要とされています。

具体的に「軽微な建設工事」とは、以下のいずれかに該当する工事を指します。

  • 1件の請負代金の額が500万円に満たない工事
  • 建築一式工事の場合、1件の請負代金の額が1,500万円に満たない工事、または延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事

これらの基準を超える工事を請け負う場合、または将来的に請け負う可能性がある場合は、建設業許可を取得することが原則として必要となります。許可取得が義務付けられている背景には、請負契約の適正化、公正な競争環境の維持、そして建設工事の品質確保と安全性の向上といった公共的な目的があります。

知事許可と大臣許可、一般と特定の区分

建設業許可には、工事を請け負う事務所の所在地や、発注者から直接請け負う金額の規模に応じて、いくつかの区分があります。

  • 知事許可と大臣許可
    • 都道府県知事許可:一つの都道府県のみに営業所を設置して建設業を営む場合に、その都道府県知事から受ける許可です。例えば、大阪府内にのみ営業所を設けて事業を行う場合は、大阪府知事許可となります。
    • 国土交通大臣許可:二つ以上の都道府県に営業所を設置して建設業を営む場合に、国土交通大臣から受ける許可です。
  • 一般建設業と特定建設業
    • 一般建設業許可:下請契約の総額が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の工事を請け負う場合に必要となる許可です。多くの建設業者様がこの区分に該当します。
    • 特定建設業許可:発注者から直接請け負った1件の工事につき、下請契約の総額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)となる下請け業者に工事を発注する場合に必要となる許可です。厳しい財産的基礎などの要件が課されます。

ご自身の事業形態に合わせて、適切な許可区分を選択することが重要です。より詳しい情報は、「一般建設業許可と特定建設業許可の違いを深掘りし最適な選択をする方法【大阪府申請ガイド】」の記事でも解説していますので、ご参照ください。

建設業許可なしで工事を行った場合の「罰則」

建設業許可が必要な工事を無許可で行うことは、建設業法に違反する行為であり、厳格な罰則が適用されます。これにより、事業者様は刑事罰だけでなく、事業継続にも大きな影響を受ける可能性があります。

建設業法上の罰則

建設業許可を受けずに、許可が必要な工事を請け負った場合、建設業法 第47条により、以下の罰則が科される可能性があります。

建設業法 第47条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  1. 第三条第一項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだ者
  2. 第九条の規定に違反して許可が取り消された後、建設業を営んだ者
  3. 第二十八条第一項第四号若しくは第五号の規定に違反して営業の停止を命ぜられた後、当該停止に係る営業を営んだ者

出典: e-Gov法令検索「建設業法」

これは、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があることを意味します。この罰則は、法人だけでなく、その行為を行った個人(代表者や担当役員など)に対しても適用される場合があります。

刑事罰を受けることは、企業としての社会的信用を著しく損ない、事業の存続を脅かす事態に発展する可能性が考えられます。また、一度刑事罰を受けると、今後の許可取得や更新にも悪影響を及ぼすことが一般的です。

営業停止命令・許可取り消し

仮に、軽微な工事のみを行っている間に無許可営業が発覚した場合、行政指導にとどまるケースもありますが、状況によっては営業停止命令が下される可能性もあります。

また、すでに建設業許可を持っている事業者が、不正な手段で許可を取得した場合や、許可を受けた後に法令違反行為(例:一括下請負の禁止違反など)を行った場合は、建設業法 第28条により、営業停止処分や許可の取り消し処分を受けることがあります。

許可を取り消された場合、その日から5年間は再び建設業許可を取得することができません(建設業法 第8条)。これは、事実上の事業停止期間を意味し、企業にとっては非常に重いペナルティとなります。

その他の法令違反に伴う罰則

無許可営業の状態は、建設業法以外の法令違反も誘発する可能性があります。例えば、建設工事の請負契約書に関する建設業法 第19条の規定(契約内容の書面化など)を適切に遵守していない場合、これ自体も行政処分の対象となることがあります。

また、建設業においては社会保険の加入が事実上必須となっており、未加入の企業は許可の取得・更新ができません。無許可で事業を行っている場合、社会保険への加入意識が希薄になり、健康保険法や厚生年金保険法、雇用保険法などの違反に繋がるケースも考えられます。

社会保険未加入のリスクについては、「建設業における社会保険加入の義務と許可要件への影響:未加入リスクと対応策【大阪府】」で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

建設業許可なしで工事を行う「事業リスク」

罰則だけでなく、建設業許可なしで事業を継続することは、企業としての成長を阻害し、様々な事業リスクを抱えることになります。

法令遵守違反による信用失墜

無許可で建設工事を請け負っていることが発覚した場合、発注者からの信頼は著しく損なわれます。特に、建設業許可の取得を条件としている元請業者との取引は継続が困難となり、新規の取引先を見つけることも難しくなるでしょう。

また、金融機関からの融資審査においても、法令遵守状況は重要な評価項目です。無許可営業という事実は、企業の信用力を低下させ、新たな融資を受けることが難しくなる可能性も考えられます。企業としての社会的信用を一度失うと、それを回復させるには多大な時間と労力を要します。

大規模工事の受注機会損失

軽微な建設工事以外の、1件の請負代金が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事は、建設業許可がなければ請け負うことができません。これは、企業が成長し、事業規模を拡大していく上で大きな障壁となります。

より高額な工事や、より複雑な技術を要する工事への参入機会が閉ざされるため、売上の伸び悩みや、事業の頭打ちに繋がるリスクがあります。結果として、競争力の低下を招き、同業他社との差が広がる一方となる可能性も考えられます。

下請け契約上の問題

建設業許可を持たない事業者との取引を避ける元請業者は少なくありません。元請業者には、下請業者を選定する際にその適格性を確認する義務があり、無許可業者と取引することで、元請業者自身も行政指導の対象となるリスクがあるためです。

そのため、無許可であるという理由だけで、優良な元請業者との取引を断られたり、下請け業者としての立場が弱くなったりすることが予想されます。適切な下請け契約を結べなくなることで、安定した工事量の確保が困難となり、経営の不安定化に繋がる可能性もあります。

社会保険・労働保険の未加入リスク

無許可で建設業を営む事業者の中には、社会保険や労働保険(雇用保険・労災保険)への加入手続きを怠っているケースも散見されます。

法人の場合、社会保険(健康保険、厚生年金保険)への加入は原則として義務付けられており、従業員を一人でも雇用していれば労働保険(雇用保険、労災保険)への加入も義務です。これらの保険への未加入は、従業員の福利厚生を保障できないだけでなく、行政からの指導や、場合によっては追徴金といったペナルティを科される可能性があります。

特に建設現場では、労災事故のリスクが伴います。労災保険に加入していなければ、万一の事故の際に事業者自身が莫大な補償を負担することになりかねません。一人親方の場合も、特別加入制度を利用することで安心して業務に従事できます。

一人親方の労災保険については、「一人親方の労災保険特別加入と建設業許可の関係を徹底解説:大阪府の申請実務と対応策」で詳細を解説しています。

経営事項審査・入札参加資格への影響

公共工事の受注を目指す場合、建設業許可の取得が大前提となります。許可を取得した後には、経営事項審査(経審)を受け、その総合評定値(P点)に応じて各発注機関への入札参加資格申請を行う必要があります。

建設業許可がなければ、これらのステップに進むことすらできません。公共工事は、安定した仕事量や売上を確保できる重要な機会であり、これに参加できないことは、企業の成長戦略において大きなハンディキャップとなります。

入札参加資格の詳細については、「建設業許可取得後、入札参加資格を獲得するステップ|大阪府の建設業者が知るべき手続き」の記事をご参照ください。

無許可営業の疑いがある場合の対応

もしご自身の事業が軽微な建設工事の範囲を超えているにもかかわらず、まだ建設業許可を取得していない場合は、速やかに適切な対応を取ることが重要です。

まずはご自身の状況を確認

請け負っている、または請け負う予定の工事が「軽微な建設工事」に該当するかどうかを改めて確認してください。少しでも不明な点がある場合は、自己判断せず、専門家や管轄の行政庁にご相談いただくことをお勧めします。

その上で、建設業許可の取得要件(経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎、誠実性など)を満たしているかどうかの自己診断も行いましょう。

建設業許可の基本的な要件については、「建設業許可の4大要件を戦略的に満たすための準備完全ガイド【大阪府の申請実務を徹底解説】」にて詳しく解説しています。

適切な手続きで許可取得を目指す

建設業許可の取得には、複数の要件を満たし、多くの書類を準備する必要があります。大阪府の場合、知事許可の申請窓口は大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室建築振興課建設業許可グループとなります。

【許可取得の目安】

  • 申請手数料:大阪府知事許可の場合、9万円(大阪府証紙による納付)が原則として必要です。大臣許可の場合は、登録免許税15万円が必要となります。
  • 行政書士に依頼した場合の費用相場:一般建設業許可の新規申請で、行政書士に依頼した場合の報酬は、一般的に10万円〜20万円程度が目安となることがあります。これには、必要書類の作成、収集代行、申請代行などが含まれます。
  • 申請期間:申請書類提出後、大阪府知事許可の場合は、原則として約1ヶ月〜2ヶ月程度の審査期間が一般的です。書類の不備や確認事項が多い場合は、これより長くかかる可能性もあります。

書類の作成や要件の確認には専門知識が必要となる場合が多く、ご自身で全てを準備することは時間と労力がかかる上に、不備による差し戻しでさらに時間がかかるリスクも考えられます。スムーズな許可取得のためには、専門家である行政書士に相談することも有効な選択肢です。

建設業許可取得に関するQ&A

Q1: 許可取得にはどのくらいの期間がかかりますか?

A1: 申請書類を提出してから許可が下りるまでの審査期間は、大阪府知事許可の場合、通常1ヶ月〜2ヶ月程度が目安です。ただし、必要書類の準備期間を含めると、全体では数ヶ月を要することも珍しくありません。

Q2: 費用はどのくらいかかりますか?

A2: 申請手数料として、大阪府知事許可の場合は9万円(大阪府証紙)が必要です。これに加えて、行政書士に依頼される場合は、その報酬(一般的に10万円〜20万円程度)や、各種証明書の取得費用などがかかります。

Q3: 許可がなくても請け負える工事はありますか?

A3: はい、「軽微な建設工事」であれば許可なしで請け負うことができます。具体的には、1件の請負代金が500万円未満の工事(建築一式工事の場合は1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)が該当します。

Q4: 自分で申請できますか?

A4: ご自身で申請することは可能です。しかし、建設業許可の要件は複雑で、必要書類も多岐にわたります。法律や実務に関する知識が求められるため、書類作成や収集に膨大な時間と手間がかかる上、不備があると審査が滞る可能性があります。専門家にご依頼いただくことで、これらの手間を省き、スムーズな申請手続きが期待できます。

まとめ

今回は、建設業許可なしで工事を行う場合の重大な罰則と事業リスクについて解説しました。許可が必要な工事を無許可で行うことは、建設業法上の刑事罰の対象となるだけでなく、営業停止や許可取り消し、企業としての信用失墜、大規模工事の受注機会損失、社会保険・労働保険に関するリスクなど、事業の継続と発展を大きく阻害する多くのリスクを伴います。

健全な事業運営と安定した成長のためには、建設業許可の適切な取得が不可欠です。もし、ご自身の事業が許可の対象となるにもかかわらず、まだ許可を取得されていない場合は、速やかに手続きを進めることを強くお勧めします。

建設業許可の取得は複雑な手続きを伴いますが、専門家のサポートを得ることで、スムーズに進めることが可能となります。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

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