経営事項審査(経審)の技術力評価(Z点)を高める!建設業者が知るべき資格取得と技術者配置戦略【大阪府】 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
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経営事項審査(経審)の技術力評価(Z点)を高める!建設業者が知るべき資格取得と技術者配置戦略【大阪府】

2026.07.22

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

公共工事の受注を目指す建設業者様にとって、経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)は非常に重要です。このP点を構成する要素の一つに、企業の技術力を評価する「Z点」があります。Z点の向上は、入札参加資格におけるランクアップに直結し、より競争力の高い企業として認められることにつながります。

しかし、「Z点をどのように上げれば良いのか」「具体的にどのような資格や技術者を配置すれば評価されるのか」といった疑問をお持ちの経営者様も少なくないのではないでしょうか。特に大阪府で事業を展開されている皆様にとって、地元行政庁の審査傾向を踏まえた戦略は重要です。

本記事では、経審のZ点評価の仕組みを解説し、具体的な資格取得戦略や技術者配置のポイント、さらには労務管理の視点からのアプローチについて、行政書士・社会保険労務士の専門知識を交えてご紹介します。これらの情報を参考に、貴社のZ点向上と事業拡大の一助としていただければ幸いです。

目次

経審の技術力評価(Z点)とは?公共工事受注における重要性

経営事項審査(経審)は、公共工事の入札に参加を希望する建設業者が必ず受ける必要がある審査です。この審査では、企業の経営状況、経営規模、技術力、その他の社会性などの客観的な指標が評価され、総合評定値(P点)が算出されます。Z点(技術力評価)は、このP点を構成する重要な要素の一つです。

経審におけるZ点(技術力評価)の位置づけ

Z点では、建設業者の保有する技術職員の数やその資格、元請完成工事高、ISO等の認証取得状況、研究開発費の状況、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録技術者数などが評価されます。これらの項目を通じて、企業がどれだけ技術的な能力を有しているか、またその能力を継続的に向上させようとしているかが測られます。

特に「技術職員の数」と「保有資格」はZ点に大きく影響する項目です。具体的には、一級・二級の国家資格を保有する技術職員が多いほど、Z点の評価は高まる傾向にあります。

参考: 国土交通省「経営事項審査」

Z点向上で得られるメリット

Z点が高いということは、企業が豊富な技術力を持っていることを客観的に証明することになります。これにより、以下のようなメリットが期待されます。

  • 公共工事の受注機会拡大: P点が高くなることで、より規模の大きな公共工事の入札に参加できる可能性が高まります。
  • 入札ランクの向上: 自治体などが定める入札参加資格のランクが上がり、競争力を高めることができます。
  • 企業の信用力向上: 技術力が高く評価されることは、元請業者や発注者からの信頼獲得につながり、民間工事においても優位に働くことがあります。

Z点アップの鍵!技術職員数と保有資格の評価基準

Z点の評価項目の中でも、特に重視されるのが「技術職員数」と「保有資格」です。これらの評価基準を理解し、適切に対応することがZ点向上の第一歩となります。

技術職員数の評価

経審で評価対象となる技術職員とは、建設業法に定める主任技術者または監理技術者となることができる資格を有する者を指します(建設業法 第26条)。

  • カウント方法: 常勤の技術職員が対象です。複数の建設業者で重複してカウントされることはありません。
  • 実務経験と国家資格: 技術職員は、特定の国家資格を保有しているか、または一定年数以上の実務経験を有していることで認められます。評価点としては、国家資格保有者の方が実務経験のみの技術者よりも高くなる傾向があります。

保有資格の評価

技術職員が保有する資格は、その種類と等級に応じて点数化されます。一般的に、より専門性の高い、あるいは取得難易度の高い資格ほど高得点となります。特に以下の国家資格はZ点評価において重要視されます。

  • 一級国家資格: 一級建築士、一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、一級電気工事施工管理技士、技術士(建設部門)など
  • 二級国家資格: 二級建築士、二級建築施工管理技士、二級土木施工管理技士など

これらの資格を持つ技術職員が多いほど、企業の技術力は高く評価されます。技術職員一人あたりに与えられる点数は、資格の種類や等級、そして技術職員が主任技術者や監理技術者として配置される可能性などによって異なります。

建設業法では、工事現場に主任技術者または監理技術者を配置することが義務付けられています(建設業法 第26条)。また、営業所ごとに専任技術者を配置することも必要です(建設業法 第7条)。これらの要件を満たす技術者は、同時に経審の技術職員としても評価の対象となります。

許可要件として技術者を配置するだけでなく、その技術者がどのような資格を有しているか、さらに何人いるかがZ点の評価に直結するため、法的な義務と経審対策の両面から技術者の確保・育成を進めることが重要です。

Z点向上に向けた資格取得戦略と技術者配置のポイント

Z点を効果的に向上させるためには、計画的な資格取得戦略と適切な技術者配置が不可欠です。

既存技術者の資格取得支援

すでに在籍している技術職員の資格取得を支援することは、Z点向上への最も直接的な方法の一つです。

  • 研修制度の導入: 資格取得に向けた研修会や講習会への参加を推奨し、費用の一部または全額を補助する制度は有効です。
  • 学習時間の確保: 業務時間内での学習時間を確保したり、試験前の休暇を付与したりすることも、従業員のモチベーション向上につながります。
  • 奨励金の支給: 資格取得者に一時金や手当を支給することで、資格取得への意欲を高めることができます。

新規技術者の採用と有効な資格

不足している資格保有者を外部から採用することも、Z点向上の有効な手段です。採用活動においては、特に以下の資格保有者を優先的に検討することが考えられます。

  • 一級建築士、一級施工管理技士(建築・土木・電気・管工事など): 建設業の主要な業種で高評価につながる資格です。
  • 技術士(建設部門): 専門性の高い技術力を示す資格として、Z点において非常に高い評価が期待できます。

自社の主要な工事内容や今後の事業展開を見据え、Z点への寄与度が高い資格を持つ人材を戦略的に採用することが重要です。

複数資格保有のメリット

一人の技術職員が複数の建設業種に関する資格を保有している場合、その技術者は複数の業種の専任技術者や主任技術者を兼ねることができる場合があります。これにより、限られた人材でより多くの業種の許可を維持しつつ、Z点の評価も高めることが可能になります。

ただし、常勤性の要件や専任性の要件(例えば、専任技術者は原則として他の業務と兼務できない)など、建設業法上のルールに留意し、適切な配置を行う必要があります。

技術者配置計画の重要性

Z点向上には、単に資格を持つ技術者を増やすだけでなく、その技術者を適切に配置し、経審の申請書類に正確に反映させることが不可欠です。社内の組織図や技術者名簿、配置予定表などを整備し、どの技術者がどの資格を持ち、どの業種の担当技術者として評価されるのかを明確にしておくことが求められます。

CCUS登録によるZ点への影響と活用方法

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者の就業履歴や保有資格を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。このCCUSへの登録状況も、経審のZ点(技術力評価)または社会性等の評価項目に影響を与えることがあります。

  • Z点(社会性等の評価)への影響: CCUSに登録している技術者数が多い企業は、技能者の能力評価や育成に積極的に取り組んでいるとみなされ、経審において一定の加点要素となる場合があります。具体的には、「社会性の確保」に関する評価項目の一つとして「建設キャリアアップシステムの活用状況」が評価対象となります(国土交通省「経営事項審査」参照)。
  • 活用方法: 企業としてCCUS事業者登録を行い、自社の技能者全員のCCUS登録を推進することが重要です。これにより、技能者のスキルアップを支援しつつ、企業の経審評価も高めることができます。

経審申請における技術職員名簿の作成と証明書類

経審を申請する際には、技術職員に関する詳細な情報を行政庁に提出する必要があります。特に大阪府で申請を行う場合、以下の点に留意して書類を準備することが原則として求められますが、詳細は大阪府の窓口で確認してください。

  • 技術職員名簿: 申請時点での常勤技術職員全員の氏名、生年月日、入社年月日、担当する建設業種、保有資格などを記載します。
  • 資格証明書類: 各技術職員の保有資格を証明する書類(例: 建設業法 第27条の18に定める技術検定合格証明書、建築士免許証、電気工事士免状など)の写しを添付します。
  • 常勤性の証明: 健康保険被保険者証の写しや住民税特別徴収税額決定通知書(雇用形態が確認できるもの)、雇用契約書、賃金台帳などで常勤性を証明します。
  • 実務経験証明書類: 資格を持たない技術職員の実務経験で技術者要件を満たす場合は、工事請負契約書や注文書、請求書など、その実務経験を客観的に証明できる書類が必要です。

これらの書類は、申請内容と齟齬がないよう、細心の注意を払って作成・準備する必要があります。都道府県によって提出様式や求められる書類が異なる場合がありますので、申請先の行政庁の最新の情報を確認することが重要です。大阪府の場合、大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室審査指導課建設業許可グループのウェブサイトなどで情報が提供されています。

Z点アップと労務管理:社会保険労務士の視点から

技術力の向上とZ点アップは、単に資格を取るだけでなく、技術者を確保し、育成し、定着させる労務管理と密接に関わっています。社会保険労務士の視点から、Z点アップに貢献する労務管理のポイントを解説します。

技術者定着のための労働環境整備

資格を持つ優秀な技術者が長く働き続けられる環境を整えることは、Z点の安定的な向上に不可欠です。

  • 適正な賃金体系: 資格や経験に応じた公平で透明性の高い賃金体系を整備することで、従業員のモチベーションを維持し、流出を防ぐことができます。
  • 福利厚生の充実: 健康診断、人間ドックの補助、退職金制度、各種手当(資格手当、住宅手当など)の充実は、従業員の満足度を高めます。
  • キャリアパスの提示: 資格取得支援だけでなく、取得した資格を活かせるポストや昇進の機会を明確に提示することで、将来への展望を持たせ、定着を促します。

社会保険・労働保険の適正加入

建設業許可の要件の一つに社会保険(健康保険・厚生年金保険)および労働保険(雇用保険・労災保険)への適正な加入が求められています(建設業法 第27条の23、第28条1項5号など)。これらの保険への未加入は、経審の社会性等の評価で減点されるだけでなく、許可の更新や変更ができない、あるいは罰則の対象となる可能性があります。

適切な労務管理により、すべての従業員が適法に社会保険・労働保険に加入している状態を維持することは、企業の信用力を高め、Z点だけでなくP点全体の向上に貢献します。

参考: 国土交通省「経営事項審査」社会性の確認

助成金活用による人材育成

国や自治体では、企業の従業員に対する資格取得支援や能力開発を目的とした様々な助成金制度を提供しています。これらを活用することで、資格取得にかかる費用負担を軽減しつつ、計画的に技術者のスキルアップを図ることが可能です。

  • 人材開発支援助成金: 従業員の職業訓練を支援する助成金です。資格取得のための講習受講費用や賃金の一部が助成対象となる場合があります。
  • 特定求職者雇用開発助成金: 高齢者や障害者など、特定の求職者を雇用する際に活用できる助成金です。資格保有者を雇用する場合にも適用されることがあります。

これらの助成金は申請要件や手続きが複雑な場合もあるため、社会保険労務士などの専門家にご相談いただくことで、スムーズな活用が可能になります。

よくある質問(Q&A)

Q1: 専任技術者は経審のZ点に影響しますか?

A1: 建設業許可の要件である専任技術者は、経審においても技術職員としてカウントされ、Z点の評価に影響します。専任技術者が国家資格を保有している場合、その資格に応じた点数が加算されることになります。

Q2: 複数業種の許可を持っている場合、技術職員のカウントはどのように計算されますか?

A2: 一人の技術職員が複数の建設業種に関する資格を保有している場合、その技術者はそれぞれの業種の技術職員としてカウントされることが原則として可能です。ただし、あくまで「常勤性」が条件であり、実態として複数の業種に適切に対応できることが前提となります。都道府県によって細かな解釈が異なる場合もありますので、管轄の行政庁にご確認ください。

Q3: Z点を上げるために、どんな資格が特に有効ですか?

A3: 自社の主要な建設業種に関連する一級・二級の国家資格(例えば、建築一式工事が主であれば一級建築士や一級建築施工管理技士)が特に有効です。また、技術士(建設部門)は非常に高評価につながる資格の一つです。今後の事業展開を見据え、戦略的に取得を検討することが望ましいでしょう。

Q4: 資格取得費用はどのように賄うのが一般的ですか?

A4: 企業が従業員の資格取得を支援する場合、研修費用の全額または一部補助、受験料の補助、テキスト代の支給などが一般的です。これらに加えて、合格時には奨励金を支給するケースもあります。国や自治体の助成金制度を活用することも、費用負担を軽減する有効な手段です。

まとめ

本記事では、経営事項審査(経審)における技術力評価(Z点)の重要性とその向上戦略について解説しました。Z点の向上は、技術職員の数や保有資格の充実、CCUS登録の推進、そして計画的な労務管理によって実現されます。

特に大阪府で事業を行う建設業者様にとって、公共工事の受注機会を拡大し、企業の競争力を高める上でZ点対策は欠かせません。計画的な資格取得支援や技術者配置、そして社会保険労務士の視点からの労務環境整備を通じて、貴社の持続的な成長を支援することが期待されます。

建設業許可申請、経審対策、労務管理、社会保険手続きなど、建設業に関わるあらゆるお困りごとがございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

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