建設業許可取得のための事前診断と不足要件の補完計画【大阪府対応】 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
電話ボタン

ブログ記事

建設業許可取得のための事前診断と不足要件の補完計画【大阪府対応】

2026.08.26

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

「建設業許可を取りたいけれど、何から手をつければいいのか」「要件が複雑で、自社が取得できるのか不安がある」といったお悩みをお持ちの建設業者の経営者様、ご担当者様は少なくないでしょう。建設業許可の取得は、事業の成長や信頼性向上に不可欠ですが、その道のりは決して平坦ではありません。

本記事では、大阪府を主な活動拠点とする行政書士・社会保険労務士である私が、建設業許可取得に向けて、まず初めに行うべき「事前診断」の重要性と、万が一要件に不足があった場合の「具体的な補完計画」について詳しく解説します。許可の種類や要件、申請の流れ、費用相場まで、読者の皆様がご自身の状況を判断し、次の行動へ移すための材料を網羅的に提供することを目指します。

目次

建設業許可取得の結論:事前診断と計画的な準備が成功への鍵

建設業許可の取得は、事業を健全に成長させ、元請企業からの信頼を得る上で不可欠な要素です。円滑な許可取得のためには、まず自社の現状を正確に把握する「事前診断」が極めて重要となります。

必要な要件を一つひとつ確認し、不足している点があれば、計画的に補完していくことが許可取得への近道です。このプロセスを丁寧に進めることで、許可取得後の事業活動もスムーズに進められる可能性が高まります。

建設業許可とは?種類と取得のメリット

建設業許可は、建設業を営む上で、特定の規模以上の工事を請け負う場合に建設業法に基づき取得が義務付けられているものです(建設業法 第3条)。許可を取得することで、以下のようなメリットがあります。

大臣許可と知事許可

建設業許可には、国土交通大臣許可と都道府県知事許可の2種類があります。

  • 国土交通大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所を設置して建設業を営む場合に必要です。
  • 都道府県知事許可:1つの都道府県内のみに営業所を設置して建設業を営む場合に必要です。大阪府内にのみ営業所を設置する場合は、大阪府知事許可を取得することになります。

多くの中小建設業者様は、まず都道府県知事許可の取得を目指すことになります。

一般建設業許可と特定建設業許可

建設業許可はさらに、一般建設業許可と特定建設業許可に分けられます。

  • 一般建設業許可:下請契約の総額が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の工事を請け負う場合や、元請として下請に発注しない場合に必要な許可です。
  • 特定建設業許可:元請として1つの工事について、下請契約の総額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)になる工事を請け負う場合に必要です。特定建設業許可は、下請業者保護の観点から、一般建設業許可よりも厳しい要件が課せられています。

建設業許可取得の主な要件を事前診断

建設業許可を取得するためには、建設業法で定められたいくつかの要件を満たす必要があります(建設業法 第7条、第15条)。ここでは、特に重要な要件を解説します。

経営業務管理責任者(常勤役員等)

建設業の経営を適切に行うための体制を確保する観点から、許可を受けようとする建設業者に適切な経験を持つ役員等を配置する必要があります。これを「経営業務管理責任者(常勤役員等)」といいます。

  • 要件建設業許可の要「経営業務管理責任者」とは?役割と選任のポイント【大阪府対応】でも詳しく解説していますが、原則として、許可を受けようとする業種に関して、法人の常勤役員または個人事業主として5年以上の経営業務の管理経験(特定建設業許可の場合は6年以上)が必要です。
  • 証明方法:経験を証明するためには、商業登記簿謄本、確定申告書、工事請負契約書、請求書等の客観的な資料が求められます。常勤性も住民票、健康保険被保険者証などで確認されます。

専任技術者

請け負った工事を適切に施工するための技術力があることを示すために、各営業所に「専任技術者」を常勤させる必要があります。

  • 要件建設業許可の要!専任技術者の指定学科と実務経験を証明する方法【大阪府対応】でも詳細に説明していますが、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
    • 指定学科卒業後、一定の実務経験(高卒の場合5年以上、大卒の場合3年以上)があること
    • 10年以上の実務経験があること
    • 所定の国家資格等を保有していること(例:1級・2級建築士、1級・2級施工管理技士など)
  • 証明方法:卒業証明書、実務経験証明書(工事請負契約書、請求書等)、資格者証の写しなどが必要です。常勤性は経営業務管理責任者と同様に確認されます。

財産的基礎

建設工事を請け負うに足りる財産的基礎または金銭的信用があることも要件となります。

  • 一般建設業許可の場合:自己資本が500万円以上であること、または500万円以上の資金調達能力があること、あるいは直前5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績があること。建設業許可の財産的基礎とは?自己資本を増強し許可取得・維持を目指す経営戦略【大阪府対応】で詳しく解説しています。
  • 特定建設業許可の場合:さらに厳しい基準が設けられており、資本金が2,000万円以上であること、自己資本が4,000万円以上であることなどが求められます。
  • 証明方法:直近の決算書、預金残高証明書などが用いられます。

誠実性・欠格要件

許可申請者や役員等が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと(建設業法 第7条第1号ハ)。また、破産者で復権を得ない者、一定の刑に処せられた者、暴力団員等に該当しないことなど、建設業法 第8条及び第17条に定められた欠格要件に該当しないことが必要です。

社会保険・労働保険の適正加入

建設業許可の要件として、社会保険(健康保険、厚生年金保険)および労働保険(雇用保険、労災保険)への加入が義務付けられています(建設業法 第27条の23)。これは、建設業の健全な発展と労働者の保護の観点から非常に重要です。

不足要件の具体的な補完計画

事前診断の結果、いずれかの要件に不足があったとしても、許可取得を諦める必要はありません。計画的に対策を講じることで、要件を満たすことは可能です。

経営業務管理責任者・専任技術者の経験不足の場合

  • 役員の再検討:現在の役員の中に、他の事業会社の役員経験や個人事業主としての経験がある方がいないか、改めて確認します。
  • 人材の確保:要件を満たす人材を新たに雇用することも一つの方法です。中途採用や、社内人材の資格取得支援なども検討できます。
  • 経験の積み重ね:もし経験年数が不足している場合は、軽微な工事を請け負いながら、許可取得に必要な経験を積む期間とすることも考えられます。

財産的基礎の不足の場合

  • 自己資本の増強:増資を行う、役員からの借入金で資本金を補填する、経営改善により利益を蓄積するなどの方法があります。
  • 資金調達能力の証明:金融機関からの残高証明書や融資証明書で資金調達能力を示すことも可能です。
  • 事業計画の見直し:資金計画を立て直し、計画的な経営を行うことで、次期の決算で要件を満たすことを目指します。

社会保険・労働保険が未加入の場合

  • 速やかな加入手続き:従業員を雇用している場合、社会保険・労働保険への加入は法人・個人事業主の義務です(労働基準法 第1条、健康保険法 第3条、厚生年金保険法 第9条、雇用保険法 第5条など)。建設業許可申請に先立ち、管轄の年金事務所やハローワークで速やかに手続きを行う必要があります。
  • 専門家への相談:社会保険労務士は、これらの手続きに関する専門家です。加入手続きだけでなく、日々の労務管理や保険料計算についてもサポートが可能です。

建設業許可申請の流れと必要書類(大阪府の場合)

大阪府知事許可の申請は、大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室建築振興課(建設業許可グループ)が窓口となります。申請書類の作成から提出、審査を経て許可に至るまでには、いくつかのステップがあります。都道府県によって手続きや書式が異なりますが、ここでは大阪府における一般的な流れを解説します。

申請手続きの一般的なステップ

  1. 事前相談・要件確認:自社がどの許可区分(知事・大臣、一般・特定、業種)に該当し、必要な要件を満たしているかを確認します。不明な点があれば、大阪府の窓口や専門家への事前相談をお勧めします。
  2. 必要書類の収集・作成:膨大な量の書類が必要となるため、計画的に収集・作成を進めます。特に、客観的な資料に基づく証明が求められる要件については、漏れがないよう注意が必要です。
  3. 申請書の提出:大阪府庁の担当窓口へ申請書一式を提出します。郵送ではなく、原則として窓口での提出が求められます。
  4. 審査:提出された書類に基づき、要件が満たされているかどうかの審査が行われます。必要に応じて、追加書類の提出や確認面談を求められることもあります。
  5. 許可通知・許可証交付:審査が完了し、要件を満たしていると認められれば、許可通知書が郵送され、許可証が交付されます。

主な必要書類

建設業許可申請には、許可の種類や申請者の状況によって非常に多くの書類が必要です。ここでは主な書類を挙げますが、詳細は大阪府のウェブサイトなどで最新情報を確認してください。

  • 建設業許可申請書
  • 役員等の一覧表
  • 経営業務の管理責任者(常勤役員等)証明書
  • 専任技術者証明書
  • 財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)
  • 直前1年の各事業年度終了の日の状況(確定申告書など)
  • 工事経歴書
  • 契約書、請求書、銀行預金残高証明書
  • 健康保険等の加入状況を確認できる書類(年金事務所発行の保険料納入告知額・領収済額通知書、雇用保険適用事業所設置届など)
  • 住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書
  • 営業所の写真、案内図
  • その他、各業種や状況に応じた書類

標準的な処理期間

大阪府知事許可の標準的な処理期間は、申請書が受理されてからおおよそ1ヶ月程度とされています。ただし、書類に不備があった場合や、審査が混み合っている場合などは、これよりも長くかかる可能性があります。余裕を持ったスケジュールで申請準備を進めることが重要です。

建設業許可申請にかかる費用と専門家への依頼

建設業許可申請には、法定費用と、もし専門家に依頼する場合はその報酬がかかります。

申請手数料(法定費用)

  • 新規申請:9万円(都道府県知事許可の場合)
  • 更新申請:5万円(都道府県知事許可の場合)
  • 業種追加申請:5万円(都道府県知事許可の場合、すでに許可を受けている場合)
  • 新規と業種追加を同時に行う場合:9万円(都道府県知事許可の場合)

これらの手数料は、申請先の都道府県に納めるもので、申請時に証紙等で購入して納付します。

行政書士への依頼費用相場

行政書士に建設業許可申請を依頼する場合の報酬は、申請内容(新規、更新、業種追加など)や、要件充足状況の複雑さによって異なりますが、一般的に以下の金額が目安となります(大阪府の場合)。

  • 新規申請:15万円〜30万円程度
  • 更新申請:8万円〜15万円程度
  • 業種追加申請:8万円〜15万円程度

これらの報酬には、書類作成、申請代行、行政庁との折衝などが含まれることが一般的です。個別の見積もりは、依頼する専門家にご確認ください。

DIYと専門家依頼の比較

建設業許可申請は、自社で手続きを行うことも可能ですし、行政書士のような専門家に依頼することもできます。建設業許可の変更・更新手続きを専門家に依頼するメリットと費用対効果【大阪府の建設業者向け】でも詳しく解説していますが、それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合わせて判断することが大切です。

  • 自社で行う(DIY)
    • メリット:費用を抑えられる。許可申請手続きを通じて、建設業法や関連法令に関する知識を深められる。
    • デメリット:膨大な時間と労力がかかる。書類作成の専門知識が必要。書類の不備により審査が遅延するリスクがある。法改正への対応が難しい場合がある。
  • 専門家(行政書士)に依頼する
    • メリット:申請手続きの手間が大幅に省ける。専門知識に基づいた正確な書類作成と迅速な手続きが期待できる。要件充足のためのアドバイスを受けられる。審査の遅延リスクを低減できる。
    • デメリット:別途専門家報酬が発生する。

特に、初めての申請や、要件に複雑な部分がある場合は、専門家への依頼を検討することをお勧めします。

Q&A:建設業許可に関するよくある疑問

建設業許可に関するよくある誤解を解消!申請前に知るべきQ&A【大阪府対応】でも、様々な疑問にお答えしていますが、ここでは事前診断や計画に関連する質問に焦点を当てます。

Q1: 軽微な工事しか請け負わない場合でも許可は必要ですか?
A1: 建設業法 第3条では、請負金額が500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)の工事は「軽微な工事」とされ、建設業許可は不要とされています。しかし、請け負う工事の規模が将来的に拡大する可能性を考慮し、早めに許可取得を検討されることをお勧めします。許可取得は、元請企業からの信用獲得にもつながります。

Q2: 個人事業主で建設業許可を持っていますが、法人成りした場合、許可はどうなりますか?
A2: 法人成りした場合、個人事業主の許可をそのまま引き継ぐことはできません。新たに法人として建設業許可を申請する必要があります。個人事業主としての実績を法人の許可申請に活用することは可能ですが、法人の役員構成や財産的基礎などの要件を改めて満たす必要があります。

Q3: 許可取得までどれくらいの期間がかかりますか?
A3: 大阪府知事許可の場合、書類提出から許可が下りるまでの標準処理期間は約1ヶ月とされています。しかし、これは書類に不備がなく、スムーズに審査が進んだ場合です。書類作成や必要資料の収集には、数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。特に、経営業務管理責任者や専任技術者の経験証明、財産的基礎の準備に時間がかかるケースがあります。計画的に準備を進めることが重要です。

まとめ

本記事では、建設業許可取得のための事前診断の重要性から、各要件の詳細、不足があった場合の補完計画、そして大阪府における申請の流れや費用について解説しました。建設業許可は、事業の拡大や信頼性向上に不可欠なステップであり、その取得には周到な準備と正確な手続きが求められます。

複雑な要件や多岐にわたる書類準備に不安を感じることもあるかもしれません。そのような時は、専門家を頼ることも有効な手段です。当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

建設業許可は
おまかせください!
  • 「起業・創業して直ぐに建設業許可を取りたい。」
  • 「元請会社から許可がないと仕事がもらえない。」
  • 「資格を持っていないが許可を取りたい。
  • 「許可がなくて融資が受けれない。」

といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。

許可取得のための要件を無料で診断します!

←前の記事