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2026.06.14
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業許可の新規申請は、複雑な要件や多岐にわたる書類準備が必要となり、どこから手をつければ良いか迷う方も少なくありません。特に、初めての申請では「これで本当に良いのか」「何が足りないのか」といった不安が生じやすいものです。本記事では、建設業許可の新規申請で建設業者が直面しやすい「つまずきポイント」を深掘りし、それを回避するための具体的な方法、必要な書類、手続きの流れ、費用目安を建設業法に基づく情報として分かりやすく解説します。
建設業許可の新規申請は、適切な準備と理解があれば、スムーズに進めることが可能です。最も重要なのは、申請前に自社が許可要件を充足しているか確認し、必要な書類を正確に準備することです。特に経営業務の管理責任者等や専任技術者の要件、財産的基礎の証明は、つまずきやすいポイントとして挙げられます。これらの点をクリアするためには、事前の情報収集と、場合によっては専門家への相談が有効な手段となり得ます。
建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負う際に必要となる許可のことです。建設業法 第3条で定められており、公共工事や大きな民間工事を受注するためには不可欠なものです。この許可を取得することで、企業としての信頼性が高まり、事業拡大の機会が広がることが期待されます。
建設業許可は、工事を行う区域によって「知事許可」と「大臣許可」の2種類に分けられます。
どちらの許可が必要かは、自社の事業計画に基づいて判断する必要があります。
建設業許可には、さらに「一般建設業」と「特定建設業」の区分があります。これは、発注者から直接請け負った1件の工事につき、下請契約の総額が一定額以上になるかどうかで区分されます。
自社が将来的に大規模な下請契約を行う可能性があるか否かで、取得すべき許可の種類が変わります。
建設業許可は、全ての建設工事に必要というわけではありません。建設業法 第3条では、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は許可が不要とされています。
「軽微な建設工事」とは、以下のいずれかに該当する工事を指します。
これらの基準を超える工事を請け負う場合は、建設業許可が必須となります。独立開業時や事業を拡大する際には、自社の請け負う工事が「軽微な工事」の範囲を超えるかどうかを慎重に判断することが重要です。
建設業許可を取得するためには、建設業法 第7条に定められた5つの要件を全て満たす必要があります。新規申請では、これらの要件のいずれかが不足しているために不許可となるケースも少なくありません。特に注意すべきポイントを具体的に解説します。
建設業の経営は、適切な経験と判断力が必要です。そのため、許可を受けようとする建設業者には、適正な経営体制が求められます。これは「経営業務の管理責任者等」という形で要件が定められています。原則として、申請者(法人であれば常勤の役員、個人であれば事業主本人)が、下記のいずれかの経験を有している必要があります。
この要件を満たす経験を証明するためには、過去の会社役員としての登記簿謄本、確定申告書、工事請負契約書などが資料として必要になります。特に、個人事業主時代の経験を証明する際は、確定申告書の内容が重要となります。
建設工事の適正な施工を確保するため、営業所ごとに「専任技術者」を置くことが義務付けられています(建設業法 第7条第2号)。専任技術者は、許可を受けようとする建設業に関する専門知識や技術力を持つ者であり、常勤でその営業所に勤務している必要があります。
専任技術者の要件は、以下のいずれかを満たす必要があります。
実務経験で証明する場合、工事請負契約書や請求書、工事内容を証明できる書類を多数準備する必要があります。これらの書類は、経験期間の証明だけでなく、担当した工事内容が許可業種に合致しているかを示すためにも非常に重要です。建設業法施行規則 第7条第1号イ
建設工事を適正に施工し、下請業者への支払い等を滞りなく行うための財産的な基盤があることも、許可の要件とされています(建設業法 第7条第3号)。
財産的基礎の証明は、直近の決算書(貸借対照表、損益計算書など)や預金残高証明書などで行います。新規申請時につまずきやすいポイントの一つであり、決算内容によっては、増資や金融機関からの融資証明などが必要になるケースもあります。
申請者やその役員、法定代理人などが、請け負った建設工事に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことが求められます(建設業法 第7条第4号)。これは、過去に建設業法や他の法令に違反し、罰金以上の刑に処せられたり、営業停止処分を受けたりしていないかを審査するものです。
申請者やその役員などが、以下のような欠格要件に該当しないことも必要です(建設業法 第8条)。
これらの要件は、許可取得の前提となるため、申請前に必ず確認することが大切です。
建設業許可の新規申請の流れは、一般的に以下のステップで進みます。必要書類は多岐にわたるため、事前の準備が重要です。ここでは、東京都知事許可の場合を例に説明しますが、他の都道府県でも基本的な流れや必要書類は概ね同様です。
申請準備の最も重要なフェーズです。ここで不備があると、後の審査で時間的なロスが生じる可能性があります。
申請書が受理されると、行政庁による審査が開始されます。審査期間中には、追加資料の提出や質疑応答が求められることがあります。全ての要件が満たされていると判断されれば、許可証が交付され、許可番号が付与されます。
以下のリストは一般的なものであり、個別の状況や管轄行政庁のローカルルールにより追加書類が必要となる場合があります。
建設業許可の新規申請には、申請手数料や行政書士に依頼する場合の報酬など、いくつかの費用がかかります。また、申請から許可が下りるまでには一定の期間を要します。
新規申請には、各行政庁に支払う手数料が必要です。これは法定手数料であり、不許可の場合でも返還されません。
参照:建設業法 第7条、第14条、建設業法施行規則 第17条
行政書士に建設業許可申請を依頼した場合の費用は、依頼内容や事務所の方針、証明書類の複雑さによって変動しますが、一般的な相場は以下の通りです。
これに加えて、交通費や郵送費、各種証明書取得費用などの実費が別途かかることが一般的です。費用には、事前の要件確認、必要書類の収集サポート、申請書作成、行政庁との折衝などが含まれることが多いです。多くの行政書士事務所では、初回無料相談を実施しているため、具体的な費用については直接問い合わせて見積もりを取ることを推奨します。
申請書を行政庁に提出してから許可が下りるまでの期間は、行政庁や時期によって異なりますが、一般的には以下の目安となります。
これはあくまで目安であり、書類に不備があったり、追加資料の提出を求められたりした場合は、審査期間がさらに長引く可能性があります。事業計画に影響が出ないよう、余裕を持って申請手続きを開始することが重要です。
建設業許可の新規申請では、多くの事業者が共通の「つまずきポイント」に直面します。これらを事前に把握し、対策を講じることで、申請をスムーズに進めることが期待できます。
最も多い「つまずきポイント」は、申請しようとしている建設業者が、そもそも許可要件(経営業務の管理責任者等、専任技術者、財産的基礎など)を満たしていない、または満たしていると思い込んでいるケースです。
提出すべき書類が多いことや、普段あまり扱わない行政文書特有の細かな記載ルールがあることから、書類の漏れや記載不備が発生しやすいです。
複数の書類間で、記載内容に矛盾がある場合も審査の遅延や不許可の原因となります。例えば、財務諸表の数字と申請書記載の資本金が異なる、工事経歴書と確定申告書の売上額が大きく乖離している、といったケースです。
「自分で申請できる」「費用を抑えたい」という理由から、専門家への相談をためらい、結果的に申請が長期化したり、不許可になったりするケースも散見されます。
回避策:
建設業許可の新規申請にあたり、よく寄せられる疑問にお答えします。
A. はい、個人事業主でも建設業許可を取得することは可能です。法人の場合と同様に、経営業務の管理責任者等や専任技術者、財産的基礎などの許可要件を満たす必要があります。個人事業主の場合、経営業務の管理責任者等は原則として事業主本人となります。また、財産的基礎の要件は、個人事業主の確定申告書や預金残高証明書などで証明することになります。
A. 不許可になった理由を解消すれば、再申請は可能です。不許可の主な原因は、要件の不足(経営経験、技術者資格、財産的基礎など)や提出書類の不備、虚偽の記載などが挙げられます。不許可通知書にはその理由が記載されていることが一般的ですので、その点を改善し、再度申請準備を進めることになります。再申請に際しては、不許可となった原因を正確に把握し、必要な対策を講じることが重要です。
A. 営業所の所在地によって選択肢が決まります。営業所が1つの都道府県内のみにある場合は、その都道府県の知事許可となります。複数の都道府県に営業所を設置する場合は、国土交通大臣許可が必要になります。将来的に事業を拡大し、他県にも営業所を設置する計画がある場合は、当初から大臣許可を検討することも考えられますが、大臣許可の方が審査期間が長く、準備書類も増える傾向があります。現在の事業規模や今後の計画を考慮して判断することが大切です。
本記事では、建設業許可の新規申請において、建設業者が直面しやすい「つまずきポイント」とその回避策、必要書類、手続きの流れ、費用目安について解説しました。建設業許可の取得は、企業の信頼性を高め、事業を拡大するための重要なステップです。
要件の正確な理解、書類の綿密な準備、そして場合によっては専門家のサポートを活用することが、円滑な許可取得への鍵となります。これから建設業許可の取得を目指す皆さまが、本記事を参考に、安心して申請手続きを進められることを願っております。
建設業許可の新規申請は、多岐にわたる専門知識と手続きが必要です。ご自身の状況に合わせて、要件の確認や書類準備に不安を感じる場合は、お気軽に行政書士にご相談ください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門の行政書士にご確認ください。
といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。