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2026.06.13
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業を法人で営む際、建設業許可の取得や更新は事業継続に不可欠です。しかし、法人設立後には、その許可要件とも密接に関わる「社会保険」への加入義務が発生します。どこから手をつければ良いのか、どんな書類が必要なのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、法人設立後の建設業者が社会保険に加入する方法、必要な書類、そして建設業許可との関連性について、具体的な情報を提供します。
まず結論として、法人を設立して建設業を営む場合、原則として社会保険への加入は義務であり、その加入状況は建設業許可の取得・更新、さらに公共工事受注に不可欠な経営事項審査(経審)の評価項目にもなります。適切な手続きを踏み、社会保険に加入していることが、事業の安定と許可の維持に繋がります。
建設業を営む事業者は、事業の規模にかかわらず、社会保険への加入が義務付けられています。特に法人として建設業を営む場合、その義務はさらに明確です。建設業許可の取得・更新を検討している場合、社会保険の適切な加入状況は重要な確認事項となります。
建設業法においても、建設工事の適正な施工を確保するため、許可業者は社会保険(健康保険、厚生年金保険及び雇用保険)への加入状況が適正であることが求められています。この要件は、特に公共工事の入札参加に必要な「経営事項審査(経審)」において、重要な評価項目の一つとされています(建設業法 第27条の23)。
まずは、建設業者が知っておくべき社会保険の基礎知識について解説します。
一般的に「社会保険」とは、以下の4つの保険制度の総称として用いられます。
このうち、健康保険と厚生年金保険を合わせて「狭義の社会保険」、雇用保険と労災保険を合わせて「労働保険」と呼ぶこともあります。
社会保険には「強制適用事業所」と「任意適用事業所」という区分があります。
建設業許可を目指す法人としては、設立と同時に強制適用事業所となるため、社会保険への加入は必須です。
法人設立後、社会保険の加入手続きは以下の機関に対して行います。
手続き先: 管轄の年金事務所
手続きのタイミング: 法人設立から5日以内
主な流れ:
手続き先: 管轄のハローワーク
手続きのタイミング: 労働者を雇用した日の翌日から10日以内
主な流れ:
手続き先: 管轄の労働基準監督署
手続きのタイミング: 労働者を雇用した日から10日以内
主な流れ:
これらの手続きは、法人設立後速やかに行う必要があります。特に、従業員を雇用する場合は、それぞれの期限に注意し、遺漏なく手続きを進めることが重要です。
社会保険加入手続きには、様々な書類が必要となります。主な書類と準備のポイントをまとめました。
これらの書類は、提出先によってフォーマットや必要部数が異なります。また、添付書類もケースによって追加で求められることがありますので、事前に管轄の行政庁にご確認いただくことをお勧めします。
社会保険への加入は、建設業許可の取得・維持において、直接的・間接的に影響を及ぼします。
公共工事の入札に参加する場合、建設業者は経営事項審査(経審)を受ける必要があります。経審は、建設業者の経営状況や施工能力を客観的に評価する制度で、社会保険の加入状況も評価項目の一つとされています。
具体的には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険のそれぞれについて、適用事業所として加入しているか、被保険者が適切に加入しているかどうかが審査されます。未加入の事業者は、経審において減点対象となり、結果として公共工事の受注機会を失う可能性があります(建設業法 第27条の23)。
そのため、公共工事への参入を考えている建設業者にとって、社会保険への適切な加入は、事業の競争力維持に不可欠な要素と言えます。
建設業許可を新規で取得する場合や、更新・業種追加を行う場合、申請書には社会保険の加入状況を記載する欄があります。
この欄には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、それぞれの加入状況(加入しているか、未加入か)を記載します。未加入の場合はその理由を求められることもあります。法人事業所であるにもかかわらず社会保険に未加入の場合、許可の要件を満たさないと判断される可能性があり、許可取得が困難になるケースも想定されます。
許可行政庁は、申請された情報に基づき、社会保険の加入状況を厳しく審査します。適正な社会保険加入は、許可申請における「誠実性」の要件を満たす上でも重要な要素となります。
法人設立後の社会保険加入に関して、よくある疑問にお答えします。
A1: 個人事業主の場合、原則として社会保険の強制適用事業所とはなりません。ただし、従業員が5人以上いる一部の業種では強制適用となる場合があります。建設業を含む特定の業種では、従業員が5人以上であっても強制適用とはなりませんが、任意で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することは可能です。雇用保険と労災保険は、従業員を一人でも雇用すれば、原則として適用事業所となります。建設業許可の取得を目指す場合、個人事業主であっても社会保険の加入が推奨されます。
A2: 社会保険料は、役員報酬や従業員の給与額(標準報酬月額)によって変動します。健康保険、厚生年金保険、雇用保険のそれぞれに保険料率が定められており、労使折半で負担するのが一般的です。正確な保険料を知るためには、日本年金機構や厚生労働省のウェブサイトで公開されている保険料率表を確認するか、管轄の年金事務所にご相談ください。概算としては、役員報酬や給与の約15%前後(健康保険・厚生年金保険分)を会社と従業員で折半、さらに雇用保険料などを加えた金額が目安となりますが、地域や年度によって変動します。
A3: 法人の代表者(一人社長)も、会社から報酬を受けている場合、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。会社が強制適用事業所であるため、代表者も加入義務があります。従業員がいない場合でも、代表者自身の健康保険と厚生年金保険への加入手続きは必要です。雇用保険は労働者に対して適用されるため、労働者を雇用しない限り、原則として代表者のみでは加入義務はありません(中小企業の事業主等が任意で加入できる「特別加入」制度はあります)。労災保険も同様に、労働者を雇用しない限り、代表者のみでは原則として加入義務はありません。
建設業許可申請に関連する社会保険の相談を行政書士に依頼する場合、社会保険の新規適用手続きや労働保険の手続き自体は社会保険労務士の専門分野となるため、建設業許可申請と一体で考える場合、行政書士・社労士が連携することで適切な情報提供やサポートを行うことができます。
建設業許可の新規申請費用を行政書士に依頼する場合、一般的に15万円から30万円程度が目安となります(申請区分や業種数、書類の複雑さにより変動します)。この費用には、必要書類の収集、書類作成、行政庁との事前相談、申請代行などが含まれます。社会保険の加入状況の確認や、その情報を許可申請書類に適切に反映させるためのアドバイスなども、この業務の一環として提供されることが一般的です。
専門家に依頼する最大のメリットは、法令遵守の確実性と手続きの迅速化にあります。建設業許可は多岐にわたる要件があり、社会保険の要件もその一つです。専門家は、最新の法令に基づき、過不足なく、かつ正確な申請をサポートすることで、お客様が安心して本業に専念できる環境を提供します。
本記事では、法人設立後の建設業者が社会保険に加入する方法、必要な書類、そして建設業許可との関連性について解説しました。
法人で建設業を営む場合、社会保険への加入は法的な義務であり、建設業許可の取得・更新、さらには経営事項審査(経審)を通じて公共工事の受注を目指す上で不可欠な要件です。健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の各手続きを適切なタイミングで進め、必要な書類を準備することが、スムーズな事業運営の第一歩となります。
社会保険の手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、ご自身の状況に応じて、適切な対応を行うことが重要です。不明な点があれば、管轄の行政庁や専門家にご相談いただくことをお勧めします。
建設業許可の取得や更新、経営事項審査に関してご不明な点や不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。初回のご相談は無料で承っております。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門の行政書士にご確認ください。
といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。