建設業許可の決算変更届、提出義務と適切な対処法:怠るリスクと大阪府での手続きを解説 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
電話ボタン

ブログ記事

建設業許可の決算変更届、提出義務と適切な対処法:怠るリスクと大阪府での手続きを解説

2026.07.03

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

建設業許可を維持するためには、毎事業年度終了後に「決算変更届」を提出することが建設業法上義務付けられています。この届出は、許可更新や経営事項審査(経審)にも影響する重要な手続きですが、「なぜ必要なのか」「提出を怠るとどうなるのか」「具体的にどうすればよいのか」といった疑問や不安をお持ちの事業者様もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、決算変更届の提出義務から、提出を怠った場合のリスク、大阪府での具体的な手続き方法、必要書類、そして専門家への依頼費用まで、網羅的に解説いたします。建設業許可を持つ事業者様が、安心して事業を継続できるよう、適切な情報を提供することを目指します。

結論として、建設業許可を持つ事業者にとって、決算変更届の提出は法律で定められた義務であり、許可の維持や公共工事受注に不可欠な手続きです。毎年事業年度終了後4ヶ月以内に、必要な書類を整えて管轄行政庁に提出することが原則として求められます。提出を怠ると、許可の更新ができない、経営事項審査が受けられないなどの重大なリスクを伴う可能性があります。

目次

決算変更届とは?建設業許可における重要性

建設業許可を取得している事業者には、毎事業年度終了後、その内容を速やかに届け出ることが義務付けられています。この届出を「決算変更届」または「事業年度終了届」と呼びます。建設業許可制度は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者の保護を図ることを目的としており、事業者に関する最新の情報を行政が把握できるよう、この届出が求められます。

建設業法上の提出義務

決算変更届の提出は、建設業法 第11条(変更等の届出)において明確に定められています。具体的には、許可を受けた建設業者は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に、その事業年度における工事施工の状況、財務諸表、その他の変更事項を記載した書面を許可行政庁に提出しなければなりません。

この義務は、事業者の経営状況や施工能力が許可取得時の要件を継続的に満たしているかを確認するために非常に重要です。

提出を怠った場合のリスク

決算変更届の提出を怠ると、建設業許可の維持や事業運営に様々な不利益が生じる可能性があります。主なリスクとして、以下のような点が挙げられます。

  • 許可の更新ができない可能性がある
    建設業許可は5年ごとに更新が必要ですが、更新申請時に過去5年間の決算変更届が全て提出されていることが原則として求められます。未提出の事業年度がある場合、更新申請が受理されない、あるいは手続きが大幅に遅延する恐れがあります。
  • 経営事項審査(経審)が受けられない
    公共工事の入札参加資格を得るためには、経営事項審査(経審)を受けることが必須です。経審を受ける際にも、直近3年分(一部の申請ではそれ以上)の決算変更届の提出状況が確認されます。未提出の場合、経審を受けられず、公共工事を受注する機会を失うことになります。
  • 行政指導や監督処分の対象となる可能性
    建設業法上の義務を怠る行為として、行政庁からの指導や、場合によっては許可の停止などの監督処分を受ける可能性も考えられます。
  • 信用力の低下
    許可行政庁への届出を適切に行わないことは、コンプライアンス意識の低さを示すものと受け取られかねません。これにより、取引先や金融機関からの信用力が低下する可能性も否定できません。

決算変更届の提出対象者と提出期間

決算変更届は、建設業許可を受けている全ての法人および個人事業主が対象となります。知事許可、大臣許可のいずれの許可を受けている場合も同様です。

提出期間は、毎事業年度終了後4ヶ月以内と定められています。例えば、3月決算の法人であれば、7月末までに提出する必要があります。個人事業主の場合、事業年度は原則として1月1日から12月31日までとなりますので、翌年の4月末までに提出が必要です。期限を過ぎてしまうと、前述のリスクが生じる可能性があるため、計画的な準備と提出が重要です。

大阪府における決算変更届の提出書類

決算変更届には、事業年度の財務状況や工事実績などを報告するための複数の書類を添付します。都道府県によって様式や必要な添付書類が異なる場合がありますが、ここでは大阪府の知事許可を例に、大阪府の申請手引きに基づいた一般的な必要書類を解説します。

共通で必要な書類

  • 事業年度終了届出書(様式第二十二号の二)
    届出の基本となる書類です。許可番号、業者名、事業年度などを記載します。
  • 工事経歴書(様式第二十二号の二別紙一)
    その事業年度に完成した全ての建設工事について、工事名、工事場所、発注者、請負金額、工期、配置技術者などを記載します。公共工事と民間工事に分けて記載が必要です。
  • 貸借対照表(様式第二十二号の二別紙二)
    法人の場合、事業年度末日時点の貸借対照表を記載します。
  • 損益計算書(様式第二十二号の二別紙三)
    法人の場合、事業年度の損益計算書を記載します。
  • 株主資本等変動計算書(様式第二十二号の二別紙四)
    法人の場合、株主資本の変動状況を記載します。
  • 注記表(様式第二十二号の二別紙五)
    法人の場合、財務諸表に関する補足説明を記載します。
  • 附属明細表(様式第二十二号の二別紙六)
    法人の場合、財務諸表の補足として、有価証券明細表、固定資産等明細表などを記載します。
  • 法人事業概況説明書(法人の場合)
    税務申告書に添付する法人事業概況説明書の写し。
  • 納税証明書
    法人税または所得税の納税証明書(その1またはその2)の写し。
  • 個人の場合は確定申告書・所得税青色申告決算書または収支内訳書の写し

工事経歴書の作成ポイント

工事経歴書は、事業実績を証明する重要な書類です。以下の点に留意して作成することが推奨されます。

  • 正確な記載: 税務申告内容や元請・下請契約書、請求書などと矛盾しないように、請負金額や工期を正確に記載します。
  • 業種分類: 許可を受けている業種ごとに工事を分類し、それぞれの業種で最も請負金額の大きい工事を上位に記載します。
  • 配置技術者の明記: 監理技術者や主任技術者として配置した技術者の氏名、資格を明記します。
  • 下請負金額の記載: 特定建設業許可を受けている場合は、下請負に出した工事の金額も記載します。

その他の添付書類

事業年度中に以下の変更があった場合は、追加で書類を提出する必要があります。

  • 使用人数(様式第二十二号の二別紙七)
    建設工事に従事する職員数、事務職員数などを記載します。
  • 国家資格者等・監理技術者一覧表(様式第二十二号の二別紙八)
    所属する技術者の資格や監理技術者資格者証の番号などを記載します。
  • 営業所一覧表(様式第二十二号の二別紙九)
    営業所の所在地や電話番号などに変更があった場合に提出します。
  • 健康保険等の加入状況(様式第二十二号の二別紙十)
    社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)の加入状況を記載します。
  • その他
    役員変更や住所変更など、許可申請書の記載事項に変更があった場合は、別途変更届の提出が必要です。決算変更届とは別に、変更後30日以内(役員変更など)または2週間以内(営業所所在地など)に届出が求められる場合もありますので、注意が必要です。

決算変更届の提出方法と手続きの流れ(大阪府の場合)

大阪府知事許可の場合、決算変更届の提出先は大阪府庁となります。具体的には、大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室建築振興課建設業許可グループです。

手続きの流れは一般的に以下のようになります。

  1. 必要書類の準備
    税理士が作成した決算書を基に、工事経歴書や財務諸表などの書類を作成します。
  2. 書類の作成
    大阪府が指定する様式に従って、必要事項を記入します。記入例などを参考に、正確に記載することが重要です。
  3. 添付書類の収集
    税務申告書、納税証明書、社会保険の加入状況が分かる書類などを準備します。
  4. 書類の確認
    記入漏れや誤りがないか、添付書類が全て揃っているかを入念に確認します。特に、税務申告の内容と一致しているかを確認することが推奨されます。
  5. 提出
    原則として窓口持参または郵送で提出します。大阪府では、郵送での提出も可能ですが、補正(書類の修正や追加)が必要になった場合に備えて、余裕を持った提出が望ましいでしょう。
  6. 補正対応
    提出書類に不備があった場合は、行政庁から補正を求められます。指示に従って速やかに対応することが必要です。

各書類の記載内容や添付資料については、大阪府のホームページに掲載されている「建設業許可申請の手引き」を参照してください。不明な点は、事前に大阪府の窓口に問い合わせることも有用です。

決算変更届と社会保険の加入状況

建設業許可においては、社会保険の加入が非常に重視されています。決算変更届に添付する「健康保険等の加入状況」に関する書類は、この重要な要件を行政庁が確認するためのものです。

健康保険、厚生年金保険、雇用保険といった社会保険への加入は、建設業法 第27条の23に定める「適切な社会保険への加入状況」として、経営事項審査の評価項目(W点の一部)にもなっています。特に法人の場合、これらの社会保険への加入は原則として義務付けられており、未加入の状況が確認されると、建設業許可の更新や経営事項審査に影響を及ぼす可能性があります。

当事務所では、行政書士としての建設業許可申請サポートと合わせて、社会保険労務士としてこれらの労務管理に関するご相談にも横断的に対応しております。社会保険の新規加入手続き、適用事業所への変更、保険料の計算、あるいは労務関連の指導など、建設業に関わる社会保険・労働保険の手続きでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

行政書士への依頼費用と自分で申請する際の注意点

決算変更届は、事業年度ごとに発生する比較的小規模な手続きではありますが、税務・会計の知識と建設業法の知識を要するため、自社で対応するには一定の労力がかかります。ここでは、行政書士に依頼した場合の費用相場と、ご自身で申請する際の注意点について解説します。

行政書士への依頼費用

行政書士に決算変更届の作成・提出を依頼する場合の費用相場は、事業規模や書類の複雑さ、修正の必要性の有無によって変動しますが、一般的に5万円〜10万円程度が目安となります(税別)。この費用には、書類作成、行政庁への提出代行、補正対応などが含まれることが一般的です。過去の決算変更届が未提出の場合、複数年分の申請が必要となり、費用が加算されることがあります。

自分で申請する際の注意点

費用を抑えるためにご自身で申請される場合、以下の点に注意が必要です。

  • 書類作成の正確性: 記載内容が税務申告と矛盾しないか、建設業法の要件と合致しているかなど、正確性が求められます。特に工事経歴書の作成には時間がかかることがあります。
  • 様式の確認: 都道府県ごとに様式や添付書類が異なる場合があります。必ず最新の様式と手引きを確認してください。
  • 提出期限の厳守: 期限を過ぎると、更新や経審に影響するリスクがあります。計画的に準備を進めましょう。
  • 補正対応: 不備があった場合は行政庁からの指摘に従い、迅速に補正を行う必要があります。

ご自身の時間や労力を考慮し、専門家への依頼を検討することも一つの選択肢です。当事務所では、豊富な経験と知識に基づき、大阪府での決算変更届の手続きをスムーズにサポートいたします。

Q&A:決算変更届に関するよくある疑問

決算変更届に関して、事業者様からよくいただく質問とその回答をまとめました。

Q1:毎年同じ内容でも提出は必要ですか?

A1:はい、毎年提出が必要です。事業活動がない、あるいは全く同じ内容で変更点がない場合でも、建設業法第11条の規定により、毎事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出する義務があります。これは、事業活動の有無にかかわらず、許可行政庁が継続的に事業者の情報を把握するためです。

Q2:決算期を変更した場合、どうなりますか?

A2:決算期を変更した場合、変更後の決算期に応じて決算変更届を提出する必要があります。例えば、3月決算から9月決算に変更した場合、変更前の期間(1月〜3月)と変更後の期間(4月〜9月)それぞれについて、決算変更届を提出することが求められるケースがあります。詳細な手続きは都道府県によって異なる場合がありますので、管轄行政庁にご確認ください。また、税務署への届出も別途必要です。

Q3:赤字決算でも提出は必要ですか?

A3:はい、赤字決算であっても決算変更届の提出は必要です。決算変更届は、事業年度の財務状況を報告するものであり、利益が出ているかどうかにかかわらず、事業活動の報告として提出義務があります。赤字決算の場合でも、正確な財務諸表を作成し、必要な書類を添付して提出してください。赤字が続く場合は、経営事項審査の評価に影響を与える可能性もありますが、提出義務自体はなくなりません。

まとめ

本記事では、建設業許可を維持するために不可欠な「決算変更届」について、その提出義務、怠った場合のリスク、大阪府における具体的な手続きや必要書類、そして専門家への依頼費用まで詳しく解説しました。決算変更届は、単なる事務手続きではなく、建設業法を遵守し、事業の透明性を保ち、将来的な事業展開(許可更新や公共工事受注)を円滑に進めるための重要なステップです。

建設業許可は、事業者様にとって事業拡大のための大きな力となります。その許可を適切に維持していくためには、決算変更届のような日々の手続きを正確に行うことが原則として求められます。ご自身での対応が難しいと感じられたり、書類作成や手続きに関してご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

建設業許可は
おまかせください!
  • 「起業・創業して直ぐに建設業許可を取りたい。」
  • 「元請会社から許可がないと仕事がもらえない。」
  • 「資格を持っていないが許可を取りたい。
  • 「許可がなくて融資が受けれない。」

といったお悩みのある方は、
まずは一度ご相談ください。

許可取得のための要件を無料で診断します!

←前の記事