ブログ記事
2026.07.16
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業を営む皆様にとって、事業の拡大や安定化は重要なテーマです。建設業許可を取得した後、さらなる発展を目指す上で欠かせないのが「経営事項審査(経審)」です。経審は公共工事の受注に必要となるだけでなく、企業の信用力向上にも繋がります。しかし、その手続きや評価基準は複雑で、どのように準備を進めれば良いか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、経営事項審査のメリットから、入札ランクを向上させるための具体的な準備、そして大阪府における申請実務のポイントまで、詳しく解説します。皆様がご自身の状況に応じて適切な判断を下し、行動できるような情報提供に努めます。
経営事項審査(以下「経審」)とは、建設業者が公共工事の入札に参加するために、その企業規模や経営状況、技術力、社会性などを客観的に評価する制度です。
建設業法 第27条の23により、国や地方公共団体等が発注する公共工事の入札に参加を希望する建設業者は、この経審を受けることが義務付けられています。経審を受けなければ、どれほど優れた技術や実績があっても、公共工事の入札に参加することは原則としてできません。
経審は、企業の様々な側面を数値化し、「総合評定値(P点)」として算出します。このP点が高ければ高いほど、入札に参加できる工事の範囲が広がり、より大きな公共工事を受注できる可能性が高まります。P点は企業の客観的な評価指標となり、入札参加資格審査において活用されます。
経審は公共工事の受注に必須ですが、それ以外にも建設業者にとって多くのメリットをもたらします。
最も直接的なメリットは、国や地方公共団体、独立行政法人などが発注する公共工事の入札に参加できるようになることです。公共工事は一般的に安定した資金源となり、事業規模の拡大に繋がりやすいという特徴があります。
経審を受けることで、企業は国が定める客観的な基準に基づいた評価を得ることになります。これは、金融機関からの融資や、民間工事の元請け・発注者からの信頼獲得にも繋がり、民間工事における競争力を高める効果が期待できます。
経審の申請準備を通じて、自社の財務状況、技術者体制、社会保険の加入状況などを定期的に見直す機会が得られます。これにより、経営課題を早期に発見し、改善に取り組むことで、企業全体の健全性を高めることにも貢献します。
総合評定値(P点)は、以下の4つの評価項目と経営状況分析の結果を合算して算出されます。
P点を高め、より上位の入札ランクを目指すためには、各評価項目に対する計画的な対策が必要です。
X点は過去2年間または3年間の完成工事高の平均で評価されます。工事実績を地道に積み重ねることが基本です。複数業種の許可を持つ場合、完成工事高はそれぞれの業種で計上されますが、業種間振替(建設業法施行規則 第27条の13)を適切に行うことで、全体の評価を向上できる場合があります。
Y点は企業の財務指標(自己資本比率、利益額、純支払利息比率など)から評価されます。具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
Z点は、技術職員の数や保有する資格、さらには国際標準化機構(ISO)の認証取得状況などが評価されます。技術職員の育成や資格取得支援を積極的に行い、質の高い技術者を確保・増員することがP点向上に繋がります。
W点は、法令遵守や社会貢献への取り組みが評価されます。特に以下の点は、建設業に関わる労務管理の側面からも重要です。
経審の申請手続きは、大きく分けて「経営状況分析申請」と「経営事項審査申請(総合評定値請求)」の2段階で構成されます。ここでは、大阪府での申請を主軸に、一般的な流れと必要書類の例をご紹介します。
経審の申請には、非常に多くの書類が必要です。大阪府知事許可の場合の主な書類は以下の通りです。都道府県によって異なる場合がありますので、管轄行政庁の最新情報を必ずご確認ください。
経営状況分析は、申請から2週間程度で結果が出ることが一般的です。その後の経営事項審査は、書類の準備状況や行政庁の処理状況にもよりますが、おおむね1ヶ月から2ヶ月程度かかります。
経営事項審査結果通知書の有効期間は、審査基準日(決算日)から1年7ヶ月です。公共工事の入札参加資格を継続的に維持するためには、原則として毎年、事業年度終了後に決算変更届を提出し、その上で経審を受ける必要があります。
経審の申請は、多くの書類と複雑な計算を伴うため、専門家への依頼を検討する事業者も少なくありません。
行政書士・社会保険労務士に経審を依頼する場合の費用は、申請内容の複雑さや、経営状況分析機関への費用などによって変動しますが、目安として10万円〜30万円程度かかることが一般的です。別途、登録経営状況分析機関への申請手数料(1万円〜2万円程度)や、各種証明書の発行手数料、交通費等の実費が発生します。
A1: 経営事項審査の結果通知書の有効期間は、審査基準日(決算日)から1年7ヶ月です。この期間を過ぎると、公共工事の入札に参加するためのP点が失効します。
A2: 公共工事の入札参加資格を継続的に維持したい場合は、原則として毎年、決算日を基準日として経審を受ける必要があります。通常、事業年度終了後、決算変更届を提出してから経審の手続きに進みます。
A3: 経営状況分析は、国土交通大臣が登録した民間の「登録経営状況分析機関」に申請します。当事務所でも申請代行が可能ですので、ご不明な場合はご相談ください。
本記事では、建設業の事業拡大を目指す上で重要な経営事項審査(経審)のメリット、P点向上のための準備、そして大阪府における申請実務について解説しました。
経審は公共工事受注の必須条件であると同時に、企業の信用力向上や経営改善にも繋がる重要なステップです。完成工事高の積み上げ、財務状況の改善、技術力の強化、そして社会性への取り組みといった多角的な視点から、計画的に準備を進めることが入札ランク向上への鍵となります。特に社会保険への加入状況など、労務管理の側面もP点に大きく影響するため、適正な対応が求められます。
もし、経審の手続きやP点向上に向けた対策についてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
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