建設業許可取得はゴールではない!許可維持に必要な日常のコンプライアンス管理【大阪府対応】 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
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建設業許可取得はゴールではない!許可維持に必要な日常のコンプライアンス管理【大阪府対応】

2026.08.01

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

建設業許可の取得は、事業の信用力を高め、請負金額の大きな工事を受注できるようになるため、多くの建設業者様にとって大きな目標であり、重要な節目です。しかし、許可を取得しただけで終わりではありません。建設業許可は、取得後も適切に維持管理されていなければ、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。「許可を取ったけれど、その後何をすればいいのか分からない」「日々の業務で気を付けるべきことは?」といった不安をお持ちの経営者様や担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、大阪府で建設業を営む皆様が、許可取得後も安心して事業を継続できるよう、許可維持に必要な日常のコンプライアンス管理について、行政書士・社会保険労務士の専門的知見から分かりやすく解説いたします。変更届出の重要性から、労務管理、経営事項審査(経審)対策、そして許可更新まで、許可を失うことなく事業を成長させるための具体的なポイントをご紹介します。

目次

許可取得はスタートライン、その後の許可維持が重要

建設業許可を取得された皆様、おめでとうございます。この許可は、単なる行政手続きの完了を意味するものではなく、お客様や取引先、そして社会に対する「信頼の証」であり、皆様の事業が健全であることを行政庁が認めたことを意味します。

しかし、一度許可を取得すれば、あとは何もしなくてよいというわけではありません。建設業法では、許可を受けた後も、様々な義務が課せられています。これらの義務を怠ると、最悪の場合、許可の取消し(建設業法 第二十九条)や罰則が科せられ、事業の継続が困難になるリスクがあります。

許可の取消しは、軽微な工事(請負代金500万円未満、建築一式工事の場合は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)以外の工事を請け負えなくなることを意味し、企業の信用を著しく損ないます。建設業許可は、取得して終わりではなく、常にその維持管理に目を向ける必要があることをご理解ください。

建設業許可を維持するための基本原則

建設業許可を維持するためには、許可取得時に満たした以下の要件を、事業活動を通して常に満たし続けることが基本原則となります。

  • 経営業務管理責任者等(常勤役員等)の設置:建設業の経営経験を持つ常勤の役員等が必要です。(建設業法 第七条 第二号)
  • 専任技術者の設置:各営業所及び工事現場(特定建設業の場合)に、該当する建設業に関する専門知識と経験を持つ専任技術者が必要です。(建設業法 第七条 第三号、第十五条 第二号)
  • 財産的基礎・金銭的信用:事業を継続していくための一定の資金力が必要です。(建設業法 第七条 第四号、第十五条 第三号)
  • 誠実性:申請者や役員、政令で定める使用人等が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。(建設業法 第七条 第一号、第十七条)
  • 欠格要件に該当しないこと:破産者で復権を得ない者、不正行為で許可を取り消されて5年が経過していない者など、許可を受けられない特定の要件に該当しないこと。(建設業法 第八条)

これらの要件のいずれかを欠くことになった場合、適切に届け出を行い、速やかに是正措置を講じなければなりません。例えば、経営業務管理責任者や専任技術者が退職してしまった場合や、営業所を移転した場合など、事業内容や体制に変化があった際には、後述する変更届出を通じて行政庁に報告する義務があります。

許可維持に不可欠な「変更届出」の重要性

建設業許可を取得した後、会社の商号や所在地、役員の変更、営業所の新設・廃止、専任技術者の交代など、様々な状況の変化が生じることがあります。これらの変更があった場合、建設業法により行政庁に届け出る義務があります。(建設業法 第十一条)

変更届出を怠ると、実際の事業内容と許可内容に齟齬が生じ、許可更新時に問題が発生したり、最悪の場合は許可の取消しに至ったりする可能性があります。特に大阪府では、変更届出の適切な提出が、許可維持の重要な要素として厳しく確認されます。

大阪府で特に注意すべき変更届出の例

代表的な変更届出の種類と提出期限は以下の通りです。都道府県によって異なりますが、大阪府では以下の内容が該当します。

  • 商号または名称、所在地変更:変更後30日以内
  • 役員の氏名、役職の変更:変更後30日以内
  • 資本金額の変更:変更後30日以内
  • 営業所の名称、所在地、業種等の変更:変更後30日以内
  • 経営業務管理責任者(常勤役員等)の変更:変更後30日以内
  • 専任技術者の変更:変更後30日以内
  • 支配人の選任・変更・廃止:変更後30日以内
  • 使用人の変更:変更後30日以内
  • 決算報告(事業年度終了後):毎事業年度終了後4ヶ月以内(建設業法 第十一条 第二項)

これらの届出は、変更事項に応じて必要な添付書類が異なります。例えば、役員変更であれば、新たな役員の履歴事項全部証明書や住民票、経歴書などが必要です。また、決算報告は毎年必ず提出しなければならない重要な届出です。

変更届出を長期間怠っていた場合、更新申請時に過去の変更履歴を遡って一括で届け出なければならず、手間と時間がかかるだけでなく、行政指導の対象となる可能性もあります。変更があった際は、速やかに大阪府の建設業許可担当窓口やウェブサイトで必要書類や手続きを確認し、提出することが肝要です。

適正な施工体制と帳簿管理の義務

建設業許可を取得した事業者は、請け負った工事を適正に施工するための体制を整え、その記録を正確に残す義務があります。これは、建設業の公正な取引の実現と、発注者や下請負人の保護を目的としています。

法定帳簿の作成・保存義務

建設業法 第四十条の三により、建設業者はその営業に関する一定の帳簿を作成し、営業所に備え付け、5年間(特定建設業者が下請契約を締結した場合は10年間)保存する義務があります。主な帳簿は以下の通りです。

  • 営業に関する事項を記載した帳簿:工事の請負契約に関する事項、施工体制に関する事項などが含まれます。
  • 契約書、見積書、請書等の関係書類:請負契約の内容を明確にする書類です。

これらの帳簿は、工事の記録だけでなく、会計処理や税務申告の基礎資料ともなります。正確な記帳は、企業の透明性を保ち、トラブル発生時の証拠としても機能します。

施工体制台帳の作成

元請として特定建設業の許可を受けた建設業者が、下請契約を締結する際は、施工体制台帳を作成する義務があります。(建設業法 第二十四条の七)この台帳は、工事現場における施工体制を明確にし、多重下請構造の是正や、適正な施工を確保するために重要な役割を果たします。

また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用は、現場における建設労働者の就業履歴や保有資格を蓄積し、施工体制の透明化に貢献します。CCUSの活用は、経営事項審査の評価向上にもつながるため、積極的に導入を検討することをお勧めします。

建設業者が遵守すべき労働関連法規と社会保険の加入

建設業は、労働集約的な産業であり、労働災害のリスクも伴います。そのため、労働者保護のための労働関連法規の遵守は、企業の社会的責任として極めて重要です。

社会保険・労働保険の加入義務

建設業許可の取得・維持においては、社会保険(健康保険・厚生年金保険)及び労働保険(雇用保険・労災保険)への加入が厳しく求められています。これは、建設業法 第六条 第四号(許可の要件)および第八条 第八号(欠格要件)などで明記されており、社会保険等への加入は、今や建設業許可取得・維持の必須要件と言えます。

  • 健康保険・厚生年金保険:法人事業所及び、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は強制加入です。
  • 雇用保険:従業員を1人でも雇用していれば、原則として強制加入です。
  • 労災保険:従業員を1人でも雇用していれば、原則として強制加入です。

これらの保険に加入していない場合、許可の更新が認められないだけでなく、行政指導、罰則(労働基準法 第百二十条など)の対象となる可能性があります。また、経営事項審査(経審)においても社会保険等の加入状況は重要な評価項目であり、未加入は大幅な減点につながります。

適切な労務管理の徹底

社会保険への加入だけでなく、日々の労務管理も重要です。労働基準法(労働基準法 第三十七条、第三十九条など)に基づき、以下の点を遵守する必要があります。

  • 労働時間管理:法定労働時間の遵守、残業代の適正な支払い。
  • 賃金支払い:最低賃金の遵守、賃金の全額・現金での支払い。
  • 休暇制度:有給休暇の付与と取得促進。
  • 安全衛生管理:労働安全衛生法に基づいた安全な作業環境の確保、健康診断の実施。
  • 就業規則の作成:常時10人以上の労働者を使用する事業所では、就業規則の作成・届出義務があります。

当事務所は社会保険労務士としても、建設業に特化した労務管理のサポートを行っております。複雑な労働関連法規の遵守は専門家にご相談いただくことで、安心して事業に専念いただけます。

公共工事受注を目指すなら、経営事項審査(経審)対策も日常業務に

公共工事の受注を目指す建設業者様にとって、経営事項審査(経審)は避けて通れない手続きです。経審は、企業の経営状況、財務状況、技術力、社会性などを客観的に評価し、公共工事入札参加資格審査の重要な指標となります。

経審の点数は、決算期の財務諸表や、常日頃の技術者育成、社会保険加入状況など、日々の企業活動の積み重ねによって決定されます。そのため、「経審の時期になって慌てて対策する」のではなく、日常業務の中で意識的に点数アップにつながる施策に取り組むことが重要です。

日常的に意識すべき経審対策のポイント

  • 財務状況の改善(X点):自己資本比率や利益率の向上など、健全な財務体質を維持することが評価に直結します。適切な資金管理と税務対策が不可欠です。
  • 技術力の向上(Z点):技術職員の資格取得や講習受講、CPD(継続学習)単位の取得を奨励し、技術者の育成に努めることが重要です。
  • 社会性の評価(W点)
    • 社会保険等の加入状況:前述の通り、社会保険(健康保険、厚生年金保険)及び労働保険(雇用保険、労災保険)への適正な加入は、W点の中でも特に重要な項目です。
    • 建設業退職金共済制度(建退共)への加入:従業員の福利厚生を充実させることで評価が向上します。
    • 法定外労働災害補償制度への加入:労働災害に対する企業の取り組みが評価されます。
    • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用:技能者情報や就業履歴の登録・活用は、社会性評価で加点対象となります。
    • 防災協定への参加やボランティア活動:地域貢献活動も評価に繋がります。

経審の評価は、企業の総合的な経営力を示すものです。公共工事への参入を目指すのであれば、日々の業務に上記の視点を取り入れ、計画的に事業運営を行うことが成功への鍵となります。

許可を失効させないための更新手続き

建設業許可の有効期間は5年間です。(建設業法 第九条)この期間が満了する前に、更新申請の手続きを行わなければ、許可は失効してしまいます。

更新申請は、有効期間満了日の3ヶ月前から30日前までが申請期間とされていますが、大阪府では書類の準備期間などを考慮し、余裕を持った申請を推奨しています。期限ギリギリでの申請は、書類の不備などがあった場合に間に合わず、許可を失効させてしまうリスクがあるため注意が必要です。

更新手続きのポイント

  • 期限の厳守:許可が失効すると、軽微な工事以外は請け負えなくなり、新規取得と同様の手続きを最初からやり直すことになります。許可番号も変わるため、取引先への説明など、様々な不利益が生じます。
  • 許可要件の再確認:更新時にも、新規取得時と同様に、経営業務管理責任者や専任技術者、財産的基礎、誠実性などの要件を改めて審査されます。これらの要件が引き続き満たされているか、事前に確認が必要です。
  • 変更届出の完了:更新申請時には、未提出の変更届出がないかを必ず確認し、全て提出済みである必要があります。過去の変更を届け出ていなかった場合、更新申請と同時に過去の変更届を提出する必要があり、審査が長期化する原因となります。

大阪府の更新手続きに関する詳細な情報は、大阪府の建設業許可に関するウェブサイトで確認できます。更新は5年に一度の重要な手続きですので、早めに準備を始め、必要に応じて専門家のサポートを受けることをお勧めします。

Q&A:建設業許可維持に関するよくある疑問

建設業許可を維持していく中で、多くの経営者様から寄せられる疑問にお答えします。

Q1: 許可取得後、特に何も変更がない場合でも気を付けることはありますか?

A1: はい、ございます。特に大きな変更がない場合でも、毎事業年度終了後4ヶ月以内に「決算変更届(事業年度終了届)」を提出する義務があります(建設業法 第十一条 第二項)。この届出を怠ると、許可の更新が認められなくなる可能性がありますので、必ず毎年提出してください。また、経営業務管理責任者や専任技術者の常勤性の維持、財産的基礎の維持も日頃から意識しておく必要があります。

Q2: 変更届を出し忘れていました。どうすれば良いですか?

A2: 変更届を出し忘れていた場合は、速やかに管轄の行政庁(大阪府知事許可であれば大阪府)にご相談の上、提出してください。更新申請時には必ず全ての変更事項が届け出られている必要があります。状況によっては、厳重注意や行政指導の対象となる可能性もありますので、早急な対応が求められます。

Q3: 社会保険に入っていない下請け業者を使っていますが問題ないでしょうか?

A3: 建設業法上、元請業者は下請業者の社会保険等加入状況を確認する義務があり、未加入業者を下請けとして使用することは推奨されません。未加入の下請業者を使用し続けることは、経審の減点対象となるだけでなく、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。また、社会保険未加入の事業者には、行政庁から指導が入ることもあります。下請業者様にも社会保険等への加入を促し、適切な施工体制を構築することが重要です。

Q4: 決算変更届は毎年出さなければいけませんか?

A4: はい、建設業法 第十一条第二項により、毎事業年度終了後4ヶ月以内に必ず提出しなければなりません。これは建設業許可を維持するための非常に重要な義務であり、提出がなければ許可の更新申請を受け付けてもらえません。企業の財務状況を行政庁に定期的に報告する意味合いもあります。

まとめ:日常のコンプライアンス管理で、揺るぎない事業基盤を築く

建設業許可は、単に取得するだけでなく、その後の適切な維持管理が事業の継続と発展に不可欠です。変更届出の遵守、適正な帳簿管理、労働関連法規や社会保険の適正な運用、そして経営事項審査への継続的な意識と許可の更新手続き。これらは全て、皆様の事業が法令を遵守し、健全であることを社会に示すための重要な要素です。

日々のコンプライアンス管理を徹底することで、行政からの信頼を得て、安定した事業基盤を築くことができます。複雑な手続きや法令解釈についてご不明な点がございましたら、お気軽に専門家にご相談ください。当事務所は大阪府を拠点に、建設業者様の許可取得からその後の維持管理、労務に関する課題まで、幅広くサポートさせて頂いております。

建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

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