ブログ記事
2026.07.31
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
建設業許可の取得を検討されている事業者様にとって、様々な要件の中でも「経営業務管理責任者」は特に重要な位置を占めるかもしれません。この役割は、建設業の適正な経営を担保するために設けられており、その選任は許可申請の成否に大きく関わります。どこから手をつければ良いかお悩みの方のために、経営業務管理責任者の役割や選任に必要な要件、大阪府での申請実務におけるポイントを分かりやすく解説いたします。
建設業許可は、企業の信用力を高め、事業拡大や公共工事への参入を可能にする重要なステップです。しかし、その取得には複数の厳しい要件を満たす必要があり、中でも経営業務管理責任者(以下、経管)の要件は複雑に感じられるかもしれません。本記事では、経管の具体的な役割から、経験年数、証明方法、さらには2020年法改正による変更点や、行政書士に依頼した場合の費用相場まで、幅広く情報を提供いたします。
建設業許可制度において、許可を受けようとする事業者に求められる重要な要件の一つが、「経営業務管理責任者」の設置です。2020年(令和2年)の建設業法改正により、この要件は「常勤役員等」として再定義されましたが、その本質的な役割と重要性は変わりません。ここでは、法改正後の「常勤役員等」の要件を中心に解説を進めます。なお、旧称の「経営業務管理責任者」という言葉も一般的に広く使われているため、本記事では併記する場合があります。
「常勤役員等」は、建設業を適切かつ継続的に運営するために必要な「経営業務を総合的に管理した経験」を持つ者を指します。建設業は請負契約に基づく事業であり、契約の履行や安全管理、品質管理など、多岐にわたる経営判断が求められます。建設業法 第7条第1号では、許可の要件として、許可申請者(法人であればその役員、個人であれば事業主本人)が、適切な経営業務の管理能力を有していることが定められています。
この要件が設けられている背景には、建設業の健全な発展と、発注者の保護という目的があります。経営経験の豊富な者が責任を持つことで、法令遵守の経営体制が構築され、ひいては不良不適格業者の排除にも繋がり、建設工事の品質確保や安全性の向上に貢献すると考えられています。
「常勤役員等」(旧称:経営業務管理責任者)として認められるためには、一定の経営経験が求められます。この経験は、単に企業の経営に携わったというだけでなく、建設業に関する具体的な経営実務の経験である必要があります。
建設業許可には、一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があります。それぞれ「常勤役員等」に求められる経験要件が異なります。
特定建設業では、下請負人に対する指導監督義務が強く求められるため、より長期間にわたる経営経験が重視されます。
ここでいう「経営業務を総合的に管理した経験」とは、単に一部門の管理にとどまらず、会社の経営全体に関与し、意思決定を行ってきた経験を指します。具体的には、資金調達、人事、労務、経理、営業、企画など、多岐にわたる業務の執行に責任を負い、その遂行にあたって判断を下した経験が該当します。
「常勤役員等」の経験を証明するためには、客観的な証拠書類の提出が不可欠です。大阪府での建設業許可申請においても、この証明は特に厳しく審査される傾向があります。
特に大阪府では、実務経験の証明において、単に書類が揃っているかだけでなく、その内容の具体性や連続性、さらには申請者や「常勤役員等」となる人物の職務内容まで踏み込んで確認される傾向が見受けられます。不足や不備があると、審査期間が長期化したり、追加書類の提出を求められたりする可能性があるため、入念な準備が重要です。
「常勤役員等」の要件を満たす上で、「常勤性」は非常に重要な要素です。常勤とは、原則として、申請する建設業者の営業所に、勤務時間中常に勤務している状態を指します。
大阪府の窓口においても、常勤性の確認は厳格に行われます。特に、社会保険の加入状況は重要視されるポイントの一つです。未加入の場合や、加入状況が不明瞭な場合は、許可申請前に適切な手続きを行うことが求められます。
2020年の建設業法改正により、「常勤役員等」の要件が緩和され、経営経験を持つ役員がいない場合でも許可取得の道が開かれました。これが「常勤役員等に準ずる者(補佐する者)」を置く制度です。
具体的には、以下のいずれかの要件を満たす者がいる場合に、許可取得の可能性が出てきます。
ここで重要なのは、(イ)の要件で許可を申請する場合、その補佐の経験を持つ者が、過去に(ア)の要件を満たす「経営業務管理責任者」の直接の補佐役であったと証明できる必要がある点です。単に役員や従業員として勤務していただけでは認められず、具体的な補佐の実態を客観的な書類で示すことが求められます。
この制度は、経験豊富なベテラン社員を役員に登用することで要件を満たすことができるなど、事業承継や人材活用に柔軟性を持たせることを目的としています。しかし、補佐経験の証明は複雑であり、どのような書類が有効であるかはケースによって異なります。詳細については、管轄行政庁の指導や専門家への相談を検討されることを推奨いたします。
建設業許可を取得した後も、企業の状況は常に変化します。もし「常勤役員等」として届け出ていた人物が退職したり、他の役職に就任したり、あるいは新たな「常勤役員等」を迎え入れる場合など、変更が生じた際には、速やかに変更届を提出する義務があります。
建設業法 第11条では、国土交通大臣または都道府県知事への変更届の提出が義務付けられています。この届出を怠ると、許可の更新ができない、罰則が科される、あるいは最悪の場合、許可が取り消されるといった事態に繋がる可能性もあります。
大阪府では、変更届の審査においても、提出された書類の整合性や、新たな「常勤役員等」の要件適合性が厳しく確認されます。特に、後任者が要件を満たしていない場合、許可の維持が困難になる可能性もありますので、変更が生じる前に、新しい「常勤役員等」候補者の適格性を十分に確認することが重要です。
「常勤役員等」の要件において、「常勤性」は社会保険の加入状況によって確認される場合が多いことは前述の通りです。社会保険労務士として、この点から建設業許可と労務管理の関連性について補足いたします。
建設業許可の取得・維持、さらには公共工事の受注に欠かせない経営事項審査(経審)においては、社会保険(健康保険、厚生年金保険)および雇用保険の加入状況が非常に重要視されます。法令遵守の一環として、これらの社会保険への適正な加入は、企業の信頼性を示す重要な指標となるためです。
適正な労務管理は、単に法令を遵守するだけでなく、優秀な人材の確保や定着にも貢献します。社会保険労務士は、社会保険の手続き支援はもちろんのこと、賃金制度の設計、就業規則の作成・改定、ハラスメント相談窓口の設置など、多角的な視点から企業の労務管理をサポートすることが可能です。建設業許可の要件と労務管理は密接に連携しているため、許可取得後も継続的な労務管理の適正化に取り組むことを推奨いたします。
建設業許可申請は、必要書類が多く、要件も複雑なため、専門家である行政書士に依頼される事業者様も多くいらっしゃいます。ここでは、行政書士に依頼した場合の費用目安について解説します。
上記の費用はあくまで目安であり、事業規模、申請する業種数、書類の作成難易度、過去の経緯(変更履歴の有無など)によって変動する場合があります。これに行政庁に支払う手数料(証紙代など)が別途かかります。大阪府知事許可の場合、新規申請では9万円の手数料が原則として必要です。
特に、「常勤役員等」の経験証明は、過去の資料の整理や、行政庁が求める証明方法を理解しているかどうかが重要になります。ご自身の状況や時間的な制約を考慮し、DIYと専門家依頼のどちらが適しているかを検討されることを推奨いたします。費用対効果を考えれば、専門家への依頼は、結果的に時間と手間を節約し、スムーズな事業開始に繋がる選択肢となり得ます。
「常勤役員等」に関するよくある疑問とその回答をまとめました。
A1. 原則として、一人の方が複数の建設業者の「常勤役員等」を兼ねることはできません。なぜなら、「常勤役員等」には、許可を受けた建設業者の営業所に常勤し、経営業務を総合的に管理する責任があるため、複数の会社でその役割を同時に果たすことは難しいと判断されるためです。ただし、同一法人の複数の営業所において、「常勤役員等」または「専任技術者」を兼務できる場合がありますが、これは限定的な例外であり、厳格な要件があります。
A2. 「経営業務を総合的に管理した経験」として認められるのは、法人の役員等(取締役、執行役、無限責任社員、支配人など)や個人事業主としての経験です。単に部門長や現場監督といった立場であったとしても、経営全体の意思決定に直接関与し、その責任を負っていたことが客観的に証明できれば、認められる可能性はあります。判断に迷う場合は、具体的な職務内容や期間を整理し、行政庁の窓口や専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
A3. 原則として、監査役は「常勤役員等」にはなれません。監査役の役割は、会社の業務執行を監査することであり、自ら経営業務を総合的に管理する立場ではないためです。また、一般的に非常勤であることが多いため、常勤性も満たしにくいと考えられます。ただし、会社法上の監査役であっても、定款等で経営業務を行うことを定められており、かつ現実に経営業務を総合的に管理した経験があり、常勤性が認められれば、例外的に認められる可能性もありますが、これは稀なケースと言えます。
本記事では、建設業許可取得の重要要件である「経営業務管理責任者」(現在は「常勤役員等」)の役割、求められる経験要件、常勤性の原則、そして2020年法改正による代替策、さらには変更手続きや社会保険労務士の視点からの労務管理との関連性、行政書士への依頼費用目安について解説しました。
「常勤役員等」の要件は、建設業を健全に運営するための企業の基礎能力を示すものであり、その選任と経験の証明は、許可申請の最も重要なポイントの一つです。特に大阪府での申請実務においては、提出書類の整合性や、経験内容の具体性が厳しく審査される傾向があります。適切な準備と理解が、スムーズな許可取得への鍵となります。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
といったお悩みのある方は、
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