経営事項審査(経審)で総合評定値(P点)を高める!大阪府の建設業者が知るべき戦略と対策 | リーガルシンク社労士・行政書士事務所
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経営事項審査(経審)で総合評定値(P点)を高める!大阪府の建設業者が知るべき戦略と対策

2026.06.29

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の 許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

この記事の監修
松原元

社会保険労務士 行政書士 
公認 不動産コンサルティングマスター

松原 元

平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。

建設業許可をお持ちの皆様へ:経審の点数、最適化できていますか?

公共工事への参入を目指す建設業者様にとって、経営事項審査(以下「経審」)は避けて通れない重要な手続きです。しかし、「経審の仕組みが複雑でよく分からない」「どうすれば総合評定値(P点)が上がるのか」といった疑問をお持ちの経営者様やご担当者様も少なくありません。

当事務所は、大阪府を拠点に建設業許可申請から経審、さらには労務管理まで、建設業者様の事業をトータルでサポートしております。本記事では、経審の基本から、総合評定値(P点)を高めるための具体的な戦略、そして大阪府での申請実務におけるポイントまで、専門家の視点から詳しく解説します。ぜひ、貴社の事業戦略の一助としてお役立てください。

経営事項審査(経審)とは?公共工事受注への第一歩

経営事項審査(経審)とは、公共工事の発注機関が、建設業者を選定する際に利用する客観的な評価制度です。建設業法 第27条の23に基づき、建設業者の経営状況や技術力などを総合的に評価し、数値化します。この評価結果である「総合評定値(P点)」が高ければ高いほど、公共工事を受注できる可能性が高まります。

建設業法 第27条の23(経営事項審査)
『公共工事を元請として請け負おうとする建設業者は、その発注者から請求があったときは、国土交通省令で定めるところにより、経営事項審査を受けなければならない。』

経審の目的と対象

経審の主な目的は、公共工事の品質確保と公正な競争環境の維持にあります。発注者側は、この客観的な評価指標を用いることで、信頼できる施工能力を持つ建設業者を効率的に選定できます。対象となるのは、国、地方公共団体等が発注する公共工事を「元請」として受注しようとする建設業者です。

総合評定値(P点)の計算要素

総合評定値(P点)は、以下の5つの評価項目を基に計算されます。

  • Y:経営状況分析(財務状況の健全性)
  • X:経営規模(完成工事高や自己資本額など)
  • Z:技術力(技術職員数や元請完成工事高など)
  • W:その他の審査項目(社会性・法令遵守状況など)
  • W1・W2・W3・W4:社会性等(労働福祉、建設機械、ISO、建設業の営業継続の状況など)

これらの項目を数値化し、それぞれに定められた計算式とウェイト(比重)をかけて算出されるのがP点です。このP点をいかに高めるかが、公共工事受注競争における重要な戦略となります。

総合評定値(P点)を構成する5つの評価項目

ここでは、P点を構成する各評価項目について、概要と点数アップのポイントを解説します。

1. 経営状況分析(Y)

Y点は、企業の財務状況の健全性を測る項目です。具体的には、負債や純資産、利益などの指標から「自己資本比率」「経常利益」「キャッシュフロー」などを分析します。この分析は、国土交通大臣が登録した「登録経営状況分析機関」が行います。

  • 点数アップのポイント: 財務体質の改善が直接的に反映されます。具体的には、自己資本の充実、借入金の圧縮、利益の確保、流動比率の改善などが挙げられます。

参考:国土交通省 登録経営状況分析機関

2. 経営規模(X)

X点は、企業の工事施工能力や規模を評価する項目です。具体的には、直近2期または3期の完成工事高と自己資本額・平均利益額を評価します。

  • 点数アップのポイント:
    • 完成工事高: 安定して高額の工事を受注し、着実に実績を積み上げることが重要です。特に元請工事の実績は高く評価されます。
    • 自己資本額: 会社の利益を内部留保することで自己資本を増やす、あるいは増資を行うなどが有効です。

3. 技術力(Z)

Z点は、企業の技術力を評価する項目で、技術職員数と元請完成工事高が主な評価対象です。

  • 点数アップのポイント:
    • 技術職員数: 許可を受けている建設業種に対応する専任技術者、監理技術者などの有資格者を多く抱えることが有利です。特に1級施工管理技士などの上位資格は評価が高い傾向にあります。
    • 元請完成工事高: X点と同様に、元請として実績を積むことが重要です。

4. その他の審査項目(W)

W点は、上記以外の企業の社会性や法令遵守状況を評価する項目です。以下のサブ項目(W1~W4)に分かれています。

5. 社会性等(W1・W2・W3・W4)

W点は、以下の細分化された項目で構成されています。

  • W1:労働福祉の状況
    社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)への加入状況や、法定外の労災保険、退職金制度の有無、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録状況などが評価されます。
  • W2:建設機械の保有状況
    大型建設機械などを自社で保有している場合に加点されます。
  • W3:ISO認証取得状況
    品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証を取得している場合に加点されます。
  • W4:建設業の営業継続の状況
    過去の工事実績や営業年数、事業承継の状況などが評価されます。
  • 点数アップのポイント:
    • 社会保険等の適正加入: 企業としての信頼性を示す上で最も基本的な項目です。当事務所では社会保険労務士の立場から、未加入企業様への加入サポートも行っております。
    • CCUS登録: 国土交通省が推進するシステムであり、登録することで加点されます。国土交通省 建設キャリアアップシステム
    • ISO認証取得: 企業の品質管理体制や環境配慮が評価されます。
    • BCP(事業継続計画)策定: 万一の災害時に事業を継続するための計画を策定している場合も加点対象となります。

総合評定値(P点)を高めるための具体的な戦略

P点アップには、短期的な対策と中長期的な経営戦略の両面からのアプローチが不可欠です。

財務体質を強化する(Y点・X点対策)

  • 自己資本の充実: 会社の利益を内部留保として積み立てる、または増資を行うことで自己資本比率を高めます。資本準備金の活用なども検討できます。
  • 完成工事高の増加: 安定した受注活動と適正な利益確保に努め、売上高を増やします。特に元請工事の実績を重視しましょう。
  • 流動性の確保: 短期的な支払い能力を示す流動比率(流動資産÷流動負債)を高めるため、現金・預金を確保し、不必要な負債を圧縮します。

参考:国税庁 法人税のあらまし

技術力を向上させる(Z点対策)

  • 有資格者の確保・育成: 許可業種に対応する専任技術者や監理技術者、特に1級施工管理技士などの上位資格者の数を増やします。従業員の資格取得支援制度なども有効です。
  • 元請工事実績の積み上げ: 自社で設計から施工まで一貫して請け負う元請工事の実績を意識的に増やし、技術力をアピールしましょう。

社会性・コンプライアンスを強化する(W点対策)

  • 社会保険・労働保険の適正加入: 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の全てに法人として適正に加入していることは、W点において非常に重要な加点項目です。未加入の場合、減点の対象にもなり得ます。
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用: 事業者登録はもちろんのこと、従業員(技能者)の登録も積極的に進め、活用を促進することで評価を高めます。
  • ISO認証の取得: 品質管理や環境マネジメントに関する国際標準規格であるISOの認証を取得することで、企業の信頼性と管理体制を客観的に示すことができます。
  • 法定外の労災保険・退職金制度の導入: 従業員の福利厚生を充実させることで、W点の評価が向上します。

適正な労務管理と社会保険加入状況(W点・社労士視点)

建設業許可の更新や経審において、社会保険等の加入状況は年々厳しく審査される傾向にあります。建設業法 第27条の23第1項第4号および国土交通省令 第28条の3第3項において、社会保険等への加入状況がその他の審査項目(W点)として評価されます。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働保険(雇用保険・労災保険)は、企業が従業員を雇用する上で法的に義務付けられています(労働基準法、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法など)。これらの適正な加入は、従業員の安心だけでなく、企業の社会的信用や経審の点数にも直結する重要な要素です。

当事務所は社会保険労務士の資格も有しており、建設業における社会保険・労働保険の加入手続きや、労務管理に関するご相談にも対応しております。未加入のままでは経審のP点が減点されるだけでなく、行政指導の対象となる可能性もあります。適切な手続きを行うことで、安心して事業を継続できる環境を整えましょう。詳細は過去記事「建設業許可と社会保険:法人設立後の手続き、加入方法、必要書類を徹底解説」の記事もご参照ください。

経営事項審査の申請手続きの流れと必要書類

経審の申請は、複数の段階と多くの書類を要します。ここでは、大阪府を主軸に一般的な流れと必要書類を解説します。

申請の流れ(大阪府を主軸に)

  1. 決算変更届の提出: まず、毎事業年度終了後4ヶ月以内に、管轄の都道府県庁(大阪府知事許可の場合は大阪府)へ「決算変更届(事業年度終了届)」を提出します。経審はこの届出が完了していることが前提となります。
  2. 経営状況分析申請: 登録経営状況分析機関へY点(経営状況分析)の申請を行います。
  3. 経営事項審査申請: Y点の通知書が発行されたら、管轄の都道府県庁(大阪府知事許可の場合は大阪府)へ経営規模等評価申請(X点、Z点、W点)と総合評定値請求書を提出します。
  4. 結果通知: 申請後、約1ヶ月程度で総合評定値(P点)が記載された結果通知書が交付されます。

都道府県によって、申請窓口や必要書類の様式、手続きの細部が異なります。大阪府では、大阪府庁 建設業課が窓口となります。申請に関する詳細や最新の情報は、大阪府のホームページをご確認ください。

参考:大阪府 建設業許可・経営事項審査

主な必要書類

経審の申請には、非常に多くの書類が必要です。主なものとしては、以下のような書類が挙げられます。

  • 建設業許可申請書(写)
  • 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表など)
  • 工事経歴書(直前3年間分)
  • 完成工事高内訳書
  • 技術職員名簿および資格証明書(写)
  • 社会保険等加入証明書類(保険料領収書、適用事業所情報など)
  • 建設キャリアアップシステム登録証明書(写)
  • ISO認証書(写)
  • 納税証明書
  • 印鑑証明書
  • その他、各項目を証明する資料

これらの書類は、非常に詳細かつ正確な作成が求められます。特に、工事経歴や技術者情報は、工事台帳や契約書、資格証などと整合性が取れている必要があります。不備があると審査が滞り、P点取得が遅れる原因となります。

申請にかかる期間と費用目安

  • 期間: 一般的に、決算変更届の提出からP点通知まで、スムーズに進んでも2〜3ヶ月程度は見ておく必要があります。書類準備の期間も含めると、さらに長くなることもあります。
  • 費用目安:
    • 法定手数料: 申請する業種数によって異なりますが、数十万円程度(審査手数料+登録経営状況分析機関の手数料)。詳細は国土交通省の案内または各分析機関にご確認ください。
    • 行政書士への依頼費用: 後述しますが、専門家への依頼費用として、業種数や企業の規模、書類の整備状況によって数十万円程度が目安となります。

専門家への依頼費用とDIYの判断基準

経審の申請は複雑であり、多岐にわたる書類作成と要件確認が必要です。ご自身で申請を進めるか、専門家(行政書士・社会保険労務士)に依頼するかは、企業の状況によって判断が分かれます。

行政書士・社労士に依頼するメリット

  • 正確性と迅速性: 建設業許可や経審に関する最新の法令や実務を熟知しているため、書類作成の不備による手戻りを防ぎ、スムーズな申請を実現します。
  • 時間と労力の節約: 煩雑な書類作成や行政庁とのやり取りを代行することで、経営者様や担当者様は本業に専念できます。
  • P点アップへの戦略的アドバイス: 貴社の状況を分析し、P点向上に繋がる具体的な改善策(財務、技術者配置、社会性など)について専門的なアドバイスを提供できます。
  • 労務管理の横断的サポート: 当事務所のように社会保険労務士資格も持つ専門家であれば、経審のW点に直結する社会保険の適正加入状況確認や、従業員の労務管理全般について横断的にサポートが可能です。

費用相場

行政書士への経審申請代行費用は、申請する業種数や貴社の完成工事高、書類の整備状況、依頼内容(Y点分析機関への申請代行を含むかなど)によって大きく異なりますが、概ね15万円~30万円程度が目安となります。

これに、法定手数料(申請手数料、登録経営状況分析機関への手数料)が別途発生します。初回相談を無料で受け付けている事務所も多いので、まずは相談して見積もりを取ることをお勧めします。

ご自身での申請が向いているケース

  • 社内に経審申請に関する知識と経験が豊富な担当者がいる。
  • 日々の業務に追われておらず、書類作成や情報収集に十分な時間を割ける。
  • コストを極力抑えたい。

しかし、一度のミスがP点低下や公共工事受注機会の喪失に繋がりかねないため、費用対効果を慎重に検討することが重要です。

経営事項審査に関するQ&A

Q1: 毎年申請しないといけないのでしょうか?

A: 公共工事の入札参加資格を継続して維持するには、原則として毎年申請が必要です。経審の有効期間は審査基準日から1年7ヶ月と定められています(建設業法 第27条の27)。この期間を過ぎると、新たな公共工事の入札に参加できなくなりますので、計画的な申請が求められます。

Q2: 点数アップのために今すぐできることはありますか?

A: 今すぐできることとしては、まず自社の財務状況(貸借対照表、損益計算書)を見直し、経常利益の確保や負債の圧縮を検討することです。また、社会保険への適正加入状況を再確認し、未加入がある場合は速やかに手続きを進めることも重要です。建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録も、着手しやすい点数アップ策の一つです。

Q3: 経審を受ければ必ず公共工事を受注できますか?

A: 経審を受けることは、公共工事の入札に参加するための「必要条件」の一つですが、「十分条件」ではありません。P点が高ければ受注の可能性は高まりますが、最終的な受注は、入札に参加する発注機関の資格審査や、入札における価格競争などによって決定されます。

まとめ

本記事では、建設業の経営事項審査(経審)の仕組みから、総合評定値(P点)を高めるための具体的な戦略について解説しました。公共工事への参入を目指す建設業者様にとって、経審のP点向上は事業成長に直結する重要な課題です。

財務体質の強化、技術力の向上、そして社会保険への適正加入やCCUS登録といった社会性項目の充実が、P点アップの鍵となります。これらの対策は一朝一夕にできるものではありませんが、計画的に取り組むことで着実に成果に繋がります。

複雑な経審の申請手続きや、P点アップに向けた戦略立案でお困りの際は、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。

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