ブログ記事
2026.08.12
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、
ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の
許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。
資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
社会保険労務士 行政書士
公認 不動産コンサルティングマスター
松原 元
平成23年12月に社会保険労務士登録、平成25年5月に行政書士登録し、ダブルライセンスで労務・社会保険関係から建設業、宅建業、産廃等の許認可の取得・維持までをワンストップで対応可能。資金繰りのサポートも行っており、200件以上の融資支援実績を持つ。
大阪府で建設業を営む皆様、またはこれから事業を始めようとされている皆様の中には、「建設業許可が必要なのは分かっているけれど、何から手をつけたら良いのか」「許可を取得するために、自社がどのような要件を満たしているか、また足りないものは何かを知りたい」といった不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建設業許可は、事業の成長と拡大を目指す上で、多くの場合で必要不可欠なものです。しかし、その取得にはさまざまな要件があり、申請手続きも複雑に感じられるかもしれません。特に、許可取得前の事業計画立案の段階で、必要な要件を正確に把握し、見通しを立てておくことは、その後のスムーズな手続きと事業運営において非常に重要となります。
この記事では、大阪府を主な活動拠点とする行政書士・社会保険労務士である私が、建設業許可取得前の事業計画立案と、それに伴う要件充足の見通し立て方について、具体的なポイントを解説します。知事許可と大臣許可、一般と特定の基本的な違いから、経営業務管理責任者や財産的基礎といった主要な要件、さらには社会保険の加入義務まで、許可取得に必要な知識を分かりやすくお伝えします。
この記事を通じて、読者の皆様がご自身の状況を正確に判断し、建設業許可取得への具体的な一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
建設業許可は、建設工事を請け負う上で、多くのケースで法令上求められるものです。具体的には、建設業法 第3条により、建設工事の請負契約を締結する際には、原則として建設業の許可を受けなければならないとされています。
ただし、いわゆる「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、許可が不要とされています。軽微な建設工事とは、以下のいずれかに該当するものです。
しかし、軽微な工事のみを請け負う場合であっても、将来的に事業を拡大し、より大きな工事や公共工事への参入を検討しているのであれば、許可取得は必須となります。許可取得は、単に法律上の義務を果たすだけでなく、企業の信用力向上や資金調達の面でも有利に働くことがあります。【建設業許可取得で資金調達・融資審査を有利に!大阪府での申請実務とメリットを解説】
許可取得を見据えた事業計画を立案する際には、以下の点を明確にすることをおすすめします。
これらの点を計画段階で整理することで、許可取得に向けた具体的なロードマップを描き、スムーズな準備を進めることができます。
建設業許可には、いくつかの種類があります。事業計画に応じて、どの許可が必要かを見極めることが重要です。
建設業許可は、工事を行う営業所の所在地によって、都道府県知事許可と国土交通大臣許可に分けられます。
多くの建設業者は、まず事業活動の中心となる都道府県の知事許可から取得するケースが多いです。事業展開の範囲に応じて、将来的に大臣許可への切り替えを検討することもあります。
建設業許可は、さらに「一般建設業許可」と「特定建設業許可」に区分されます。この区分は、請負契約の元請け・下請け関係や、下請契約の金額によって決まります。
ご自身の事業がどちらに該当するのか、将来的な展望も踏まえて検討することが重要です。
建設業許可は、全部で29種類の「業種」に分かれています。建設業法別表第1に規定されている通り、土木一式工事、建築一式工事、大工工事、左官工事、電気工事、管工事など、多岐にわたります。
許可は、申請した業種ごとに与えられるため、例えば「電気工事」の許可だけでは「管工事」を請け負うことはできません。ご自身の事業で現在行っている工事、または今後行いたい工事がどの業種に該当するのかを確認し、必要な業種を申請する必要があります。
複数の業種の許可を同時に申請することも可能ですが、それぞれの業種について「専任技術者」の要件を満たす必要があります。
建設業許可を取得するためには、建設業法 第7条(一般建設業許可の基準)および第15条(特定建設業許可の基準)に定められた要件を満たす必要があります。ここでは、主な要件と、その見通し立て方について解説します。
建設業許可の取得には、その建設業を経営する能力がある者を配置していることが求められます。これが「経営業務管理責任者(常勤役員等)」の要件です。
具体的には、常勤の役員等(法人であれば取締役、個人であれば事業主本人や支配人など)のうち、以下のいずれかの経験を持つ者を配置する必要があります。
これらの経験は、単に役員であった期間ではなく、実際に会社の経営全般について意思決定し、業務執行に携わっていた期間を指します。経験の証明には、登記事項証明書、確定申告書、工事請負契約書などが用いられます。経験年数が足りているか、常勤性を証明できるかを確認することが、見通し立ての第一歩となります。
詳細については、【建設業許可の要「経営業務管理責任者」とは?役割と選任のポイント【大阪府対応】】もご参照ください。
建設工事の適正な施工を確保するため、営業所ごとに「専任技術者」を配置していることも必要です。専任技術者は、許可を受けようとする業種について、一定の資格または実務経験を持つ者でなければなりません。
専任技術者の要件は、大きく分けて以下の通りです。
専任技術者は、その営業所に常勤していることが求められます。他の会社の役員や社員であったり、複数の会社の専任技術者を兼任することは、原則として認められません。ご自身の会社に、必要な業種に対応する資格や経験を持つ技術者がいるか、常勤性を証明できるかを確認しましょう。
建設業許可を取得するためには、工事を請け負うに足りる十分な財産的基礎があることも求められます。これは、建設工事を完成させるための資金力があるか、万が一の時に請負契約を履行できる資力があるかを示すものです。
特定建設業許可は、一般建設業許可に比べて、はるかに厳しい財産的基礎の要件が課せられます。現在の貸借対照表や残高証明書を確認し、要件を満たしているか、また不足している場合はどのように資金計画を立てるかを見通す必要があります。
詳細については、【建設業許可の財産的基礎とは?自己資本を増強し許可取得・維持を目指す経営戦略【大阪府対応】】もご参照ください。
許可申請者(法人であれば法人自体やその役員、個人であれば事業主本人や支配人)が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。
具体的には、請負契約の締結や履行において、詐欺、脅迫、横領などの法律に違反する行為を行っていないこと、工事内容や工期、請負代金に関する不誠実な行為をしていないことなどが含まれます。役員等に過去にこうした問題がないかを確認します。
建設業許可の取得・更新において、社会保険への加入は非常に重要な要件となっています。
国土交通省は、社会保険の加入を建設業許可・更新の要件としており、健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法に基づく適用事業所であるにもかかわらず、これらに加入していない場合は、許可を受けることができない場合があります。
具体的には、以下の保険に加入していることが求められます。
これらの社会保険に加入していない場合は、許可申請前に適切な手続きを取り、加入状況を証明できる状態にしておく必要があります。当事務所は社会保険労務士としての知見から、社会保険の手続きや適正な労務管理についてもサポートさせて頂いておりますので、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
関連情報として、【建設業許可の更新手続きガイド2024|最新情報と大阪府での法令遵守のポイント】や【建設業許可の更新、令和8年(2026年)に向けた重要ポイントとは?法令遵守と手続きの準備【大阪府】】もご参照ください。
許可申請者やその役員等が、以下のような欠格要件に該当しないことも必要です。建設業法 第8条に規定されています。
これらの要件に該当する者がいないか、事前に確認しておくことが大切です。
建設業許可の申請には、一定の手続き期間と費用がかかります。計画的な準備が重要です。
大阪府知事許可の申請手続きは、一般的に以下の流れで進められます。
建設業許可申請に必要な書類は多岐にわたります。主なものは以下の通りですが、申請内容や法人・個人によって異なります。大阪府の建設業許可申請の手引きを確認し、漏れなく準備することが大切です。
これらの書類は、一つ一つ内容が正確であるか、添付書類が適切であるかを細かく確認する必要があります。特に、経験を証明する書類は、当時の業務内容や期間が明確に分かるものでなければなりません。
建設業許可申請にかかる期間と費用は、ご自身の準備状況や申請する許可の種類・業種数によって変動します。
これらの費用と期間を考慮し、事業計画の中に組み込んでおくことが重要です。専門家への依頼費用はかかりますが、申請手続きをスムーズに進め、事業に集中できるメリットも大きいと言えるでしょう。【建設業許可の変更・更新手続きを専門家に依頼するメリットと費用対効果【大阪府の建設業者向け】】
建設業許可の取得は、事業のスタートラインに立ったことを意味します。許可取得後も、法令遵守と適切な事業運営が求められます。
建設業許可は、一度取得すれば終わりというものではありません。5年ごとに更新が必要であり、許可取得後も要件を継続して満たし、法令を遵守することが重要です。
許可取得後の法令遵守については、【建設業許可取得後の落とし穴を防ぐ!法令遵守と許可管理の習慣化で事業継続【大阪府の建設業者向け】】や【建設業許可取得はゴールではない!許可維持に必要な日常のコンプライアンス管理【大阪府対応】】もご参照ください。
建設業許可を持つ事業所として、適正な労務管理は企業の信頼性を高める上で不可欠です。当事務所は社会保険労務士としても、以下の点についてサポートできます。
労務管理や社会保険に関する適切な対応は、従業員の定着や企業イメージの向上にもつながり、事業の持続的な成長を支える基盤となります。
建設業許可の取得・更新に関して、よくある疑問とその見解をまとめました。
Q1: 軽微な工事のみの場合でも許可は必要ですか?
A1: いわゆる「軽微な建設工事」(建築一式工事で1件の請負代金が1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、その他の工事で1件の請負代金が500万円未満)のみを請け負う場合は、建設業許可は原則として不要です。しかし、将来的に事業規模を拡大し、より大きな工事や公共工事への参入を考えているのであれば、早めに許可取得を検討することをおすすめします。許可がなければ請け負えない工事が増え、事業拡大の機会を逸する可能性があります。【複数店舗の建設工事で建設業許可は不要?総額4,800万円の請負契約における判断基準と注意点【大阪府】】
Q2: 設立したばかりの会社でも許可は取れますか?
A2: 設立したばかりの会社でも、要件を満たしていれば建設業許可を取得することは可能です。特に「財産的基礎」の要件については、自己資本が500万円に満たなくても、金融機関から500万円以上の資金を調達できる能力があれば、一般建設業許可を取得できる可能性があります。また、「経営業務管理責任者」の経験は会社の役員としての経験に限らず、個人事業主としての経験も認められる場合があります。ただし、経験の証明が難しいケースも考えられるため、事前の準備が重要です。【建設業許可に関するよくある誤解を解消!申請前に知るべきQ&A【大阪府対応】】
Q3: 個人事業主から法人成りした場合、建設業許可は引き継げますか?
A3: 個人事業主として取得していた建設業許可は、法人成りしたとしても、原則としてそのまま法人に引き継ぐことはできません。法人と個人事業主は法律上、別人格とみなされるため、法人は新たに建設業許可を取得する必要があります。ただし、個人事業主としての経験や実績は、法人の経営業務管理責任者や専任技術者の要件を充足するための経験として認められる場合があります。適切な手続きを踏まないと、一時的に無許可営業となってしまうリスクがありますので、法人成りする際には、新規許可申請とのタイミングを慎重に検討し、計画的に進めることが大切です。【個人の建設業許可は法人化で引き継ぎ可能?大阪府での事業承継と新規取得の判断ポイント】
この記事では、建設業許可取得前の事業計画立案と、必要な要件を充足するための見通し立て方について解説しました。
建設業許可の取得は、事業の信用力を高め、より大きな仕事や公共工事への道を開く重要なステップです。知事許可と大臣許可、一般と特定の違いを理解し、経営業務管理責任者、専任技術者、財産的基礎、誠実性、社会保険加入といった主要な要件を自社の現状に照らし合わせて確認することから始めるのがおすすめです。
許可取得には、多岐にわたる書類の準備や行政庁による審査があり、一定の期間と費用を要します。計画的な準備はもちろんのこと、許可取得後の法令遵守や適切な労務管理も、事業を継続的に成長させていく上で欠かせません。
ご自身の状況に応じて、どの要件が充足していて、どの要件の準備に時間やリソースが必要かを把握することが、スムーズな許可取得への第一歩となります。
建設業許可の取得、更新、経営事項審査(経審)に関すること、また建設業に関わる労務管理や社会保険手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の申請については管轄行政庁または専門家にご確認ください。建設業許可・経営事項審査・労務手続きについてご不明な点がございましたら、当事務所『リーガルシンク社労士・行政書士事務所』までご連絡ください。初回のご相談は無料で対応させて頂きます。
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